循環型社会の構築


 今一度、循環型社会を考え直さなくてはならないはずである。
 この循環型社会の見本は、意外なところにあった。
それは、日本の江戸時代である。
19世紀の始め、パリの人口が約60万人。
ロンドンの人口が約90万人という時代に、
日本の江戸は120万人という巨大都市だった。
それも見事な循環型社会を構築していたのだ。


 江戸時代は、
太陽の恵みによる植物から作られた綿で着物を作り、菜種油で行灯を燈した。

 また米の副産物のワラで、ムシロやワラジなど日用品を作った。
そして残ったものは肥料にしたのである。

 人間の排泄物は、有機肥料として重宝され、
農家がお金を支払って回収し、
下肥問屋や専門の商社、小売店まであったという。


 西洋では、排泄物を川などに流していたため、
臭気に悩まされ不衛生で伝染病の原因にもなった。


 一方、江戸時代には生産量以上の需要があるため、
川に流すなど、もっての他だった。


 また、物を燃やした後に出る灰も、肥料や、酒造りや和紙の製造、
布の染色にも使われた。
だから「灰」を回収する業者もいたという。

 また、「提灯の張り替え」、「下駄の歯入れ」等リサイクル業者が
家々を回っていたという。


 必要なものを必要なだけしか買わないため、
余り物もほとんどなく、またリサイクルできるものはリサイクルして何度も使うため、
ゴミは究極的に少なかったと言われている。

 リサイクルの手本は、こうした江戸時代にあったのだ。

 昭和29年生まれの私でも、物心ついた頃、
お百姓さんが下肥を取りに来た記憶もある。
また八百屋へ、瓶をもって醤油を量り売りで買っていたのも覚えている。

 買い物も、買い物カゴに直接入れるため、包装紙もあまりなかった。
せいぜい新聞紙に包んでいたぐらいだった。

 そうした江戸時代の循環型社会を、お手本に
現在の環境問題に対して取り組む必要があるのではないか。


大量生産・大量消費の時代から、

ゴミになるものを作らない・・・・Refuse

ゴミを減らす・・・・・・・・・・・・・・Reduce

再利用・・・・・・・・・・・・・・・・・・Reuse

再資源化・・・・・・・・・・・・・・・・Recycle

という4つのRを実践する循環型社会を構築しなればならない。



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