誠心誠意


「誠心誠意」
VOL.10
 2004.03月発行



環境・教育・福祉


 国も地方も未曾有の財政危機に直面致しております。
 国の財政が行き詰まり、問題を先送りしているだけの状況は明らかです。ですから地方自治体への交付税を減額しなければなりません。
 そのために全国の自治体を5万人程度の集まりに集約して、小さな自治体の交付税を減らそうと市町村合併を推進しているわけです。
 全国の地方自治体は、国からの交付税が減り、自主財源も減り大変厳しい時代に突入致しました。
 そうした厳しい時代にハード事業からソフト事業に大きく方向を変えていかなければなりません。
 同時に、自主財源確保のためにいろいろな知恵を絞らなければなりません。知恵を絞った施策を展開した自治体は生き残り、そうでない旧態依然の自治体は滅びるといっても過言ではありません。
 これから訪れる大きな変革の中、街づくりのキーワードは 「環境」 「教育」 「福祉」 だと思います。 
 知恵を絞って、「地方の時代」を生き残らなければなりません。










福祉


 笠岡は全国にも誇れる福祉の先進地です。
 福祉の船「夢ウエル丸」 、グループホームの先進地として全国的にも認知されております。
 笠岡の恵まれた自然、美しい瀬戸内海を生かした今以上の福祉施策の展開が必要だと思います。
 美しい瀬戸内海を眺望できるところに福祉施設や保養施設を整備し、日本中のご老人が「住んでみたい街」にしたらどうでしょうか。
 南フランスのコート・ダジュール地方は、温暖な地中海沿岸に福祉施設・保養施設を整備し、フランスのみならずヨーロッパ各地からご老人が訪れます。またご老人のみならず若い方々も数多く訪れます。
 そうした福祉施設・保養施設を整備すれば、ご老人をお世話する若い労働力も必要となります。
 福祉の先進地として、今以上に優れたところを積極的に伸ばしていく必要があると考え、福祉産業の積極的な誘致を提言致します。



教育

 
 住んでみたい街を選ぶとき、「教育」は大変重要な選考基準になるようです。

 私自身が不動産業を営んでいる関係で、遠方の方から住宅用地の問い合わせが時々あります。そうした方が広島県よりは岡山県を居住地として検討されるケースがあるのです。その理由を尋ねると岡山県の教育を受けたいと言われました。
 教育環境について、随分詳しく調査をされているようで、感心致しました。
 これからは住む場所を「教育環境」で考える時代になると思われます。



 笠岡市の教育をもっと独自性を持たせる施策が必要だと思います。
 現在取り組んでいる「わくわくシーサイドスクール」、試行を行なっている「2学期制」をはじめいろいろなプログラムを考えてみてはどうでしょうか。

 陶山小学校が取り組みをしているビオトープによる自然と環境を考える教育のように各学校でアイデアを出し合って独自の教育目標を明確に設定するのです。また中学校においては、市内の中学校ならどこでも自由選択できる形も考えられます。

 「ゆとり」を重視する中学校、「学力」を重視する中学校、「情報教育」を重視する中学校、「体育」を重視する中学校というように、それぞれの個性を出し、自分が学ぶ中学校を選択できるようにするのです。

 自分たちが学びたい専門分野を伸ばしていく、長所進展法という考え方です。
 そうすれば活き活きとした中学校生活を満喫できるはずです。
 そして不登校・いじめの問題も解消が期待できます。



 また、生涯学習に関しても、独自の施策を展開し、若者からご老人まで活き活きと学ぶ事ができるプログラムを組み立てるのです。
 そうした方々を指導者として小中学校に派遣するという手法もあるはずです。また病院の患者さんに対して「心の病」を治癒するカウンセラーになって戴くという事も考えられます。

 いろいろと知恵を絞って、ちょっと日本中探してもないような教育環境の充実を積極的に推進する事を提言致します。





環境 


 笠岡には、美しい瀬戸内海の島々があります。
 そうした島々を「海の港」からマリンスポーツを満喫し、また「空の港」からスカイスポーツを満喫できます。
 美しい島々を「水の回廊」として、また太陽の広場・美の浜緑道公園・11番町緑道公園・西の浜緑地を回廊する「緑の回廊」、これら素晴らしい財産を生かした環境重視の街づくりを推進していく事によって、「住んでみたい街」としての魅力を発揮できるはずです。
 また環境に関連した企業誘致も必要だと思います。
 笠岡市の内陸工業団地・港町の工業団地等、企業誘致に様々な努力を致しておりますが、大変厳しい現状です。
 最近の企業進出は国内ではなく、東南アジアや中国に目を向けております。ですから国内の工業団地はどこも大変な苦戦を致しております。



 ここで1つの提言をしてみたいと思います。現在、ゴミの問題は大変深刻です。一般廃棄物・産業廃棄物の処理、リサイクルは今後も益々増大すると思われます。
 そうした処理施設を港町の工業団地に誘致したらどうでしょうか。
 最近は、「ガス化溶融炉」が大変注目されております。
 豊島の産業廃棄物を直島で処理を開始しましたが、この処理システムが「ガス化溶融炉」です。
 ゴミ・瓦礫・鉄・フロンまで高温で溶かしてしまいます。高温のためダイオキシンもほとんど発生致しません。
 製鉄所の高炉の小型をイメージして戴ければと思います。ほとんどの物質を溶かしてしまい、わずかな残渣物であるスラグを無害化してリサイクルします。

 現在、満杯近い見崎山の最終処分場の埋め立てた瓦礫も再投入し、溶かしてしまい、無害な少量の残渣物を再び見崎山に埋めれば、最終処分場の寿命は大幅に延びます。
 「ガス化溶融炉」はゴミの量もある程度まとまらなければなりません。
 近隣の自治体の一般廃棄物のみならず産業廃棄物も処理すれば、処理費用もかなりの額となり、笠岡市への税収で財源も確保できます。
 また笠岡湾干拓地内、畜産農家の「ふん尿」も大量に処理可能です。
 何より「ガス化溶融炉」があるならば、産業廃棄物を排出する企業も誘致しやすいはずです。
 このような環境問題に関連した企業誘致を提言致します。