誠信クラブ
行政視察

2007.10.30




岩手県遠野市
「ふるさと 遠野定住促進事業」



岩手県遠野市

 遠野市は、岩手県のほぼ南東部に位置し、北上高地の中央部の盆地にある。
 平成17年10月1日に宮守村と合併し、全国の市としては10番目の広さになった。
 これまで旧遠野市と旧宮守村が保有してきた豊かな自然や伝統・文化などの地域資源を継承し、都市との交流人口の拡大を図るとともに、中山間地方都市として自立可能な産業振興を進め、これからの時代に、個性が輝きを増すような「永遠の日本のふるさと」の町づくりを推進している。
 人口は約32,000人、面積は約825.62ku。


遠野市役所

遠野市議会・本会議場

 ふるさと遠野定住促進事業

 遠野市は豊かな自然環境と遠野物語の世界から、全国的なファンも多く、児童交流・都市間交流・国際交流等の様々な交流事業を行なってきた。
 そうした交流事業から新たに定住促進事業へと展開している。
 そして「永遠の日本のふるさと」を目指した地域活性化を目的として、団塊の世代等をターゲットにしたIJUターンの促進に取り組む事業を平成18年度から22年度までの5年間、総事業費1,350万円で取り組んでいる。

 

事業内容

1.インターネット等により各種情報の収集を行なうとともに、有効なPRのために情報を発信する。

2.住む場・働く場の確保を基本として、空き家調査による古民家の提供、新規就農者へのサポート体制等受け入れ態勢を整備する。

3.窓口体制の一本化、行政内組織と市民組織を立ち上げるなど推進体制を整備する。

課題

 全国の自治体が、競うように移住・定住促進を取り組む中で、首都圏等から遠い距離を克服するための知恵が必要である。


で・くらす遠野

交流人口の拡大から定住化へ
で・くらす遠野市民制度
案内パンフレット

で・くらす遠野

 「で・くらす遠野」は遠野に興味がある・遠野を知りたい・遠野に行きたい・遠野に住みたい・そういう方々に遠野を身近に感じ、移住・定住を応援する市民(サポート市民会議)と行政(遠野市)が一体となった定住推進組織である。

1.交流と定住の情報収集と発信
 交流行事や地域イベント、遊休農地や空き家物件の情報などを収集し、全国に発信する。

2.で・くらす遠野市民募集
 全国の遠野ファンが入会し、遠野を知って・遊んで・体験して好きになって戴く。

3. IJUターンの受け入れ支援やサポートの充実
 移住から定住までのサポートを、コーディネーターと支援制度で「遠野暮らし」を応援する。

4.定住に向けた相談の窓口
 で・くらす遠野事務局において、遠野市へのIJUターン、移住から定住に関する様々な相談を受け付ける。


交流・定住促進プロジェクト

 遠野ツーリズムの推進による交流人口の拡大や遠野ライフを基調とした定住人口の拡大を目指すとともに、地域資源の再発見や地域コミュニティの維持を図る。
1.遠野ツーリズムの推進
2.遠野ブランド「トネーゼ」
3.遠野ふるさと市民制度
4.遠野遺産認定制度

具体的な成果目標

1.ふるさと市民会員数を平成18年4月1日で80名から平成22年度までに1,000名にする。
2.平成17年度194万人の観光客入込数を平成22年度には、206万人にする。
3.平成22年度までに4件の企業立地締結を目指す。


イーハトーヴぐらし
岩手移住指南
岩手県への移住・定住・情報誌


遠野市産業振興部
ふるさと定住推進室
菊池保夫室長

遠野ツーリズムによる交流促進

都市農村交流の新しい展開

1.東北ツーリズム大学
2.ツーリズム合宿型自動車運転免許
3.遠野型ワーキングホリデー
4.教育旅行の受け入れ
5.居候型農家民泊
6.インターシップ支援

都市間の交流促進

1.友好都市交流
武蔵野市・三鷹市・熊本県菊池市・宮崎県西米良村

2.平成南部藩ゆかり交流
八戸市・盛岡市・七戸町・身延町・南部町

3.地域間交流
東久留米市・愛知県大府市


日本のふるさと再生特区


 遠野の持つふるさと感や遠野らしさといった地域資源を保全しつつ、都市との交流人口を一層拡大するとともに、交流によって地域に住んでいる人たちが「おもしろさ」と「やる気」を感じ、自発的で手づくりによる活動展開がさらに充実されることによって、より一層の地域の活性化が期待される。

特例措置

1.農家民宿における簡易な消防用設備等の容認事業
2.特定農業者による濁酒の製造事業
3.地方公共団体又は農地保有合理化法人による農地又は採草放牧地の特定法人への貸付事業
4.農地の権利取得後の下限面積要件の特例設定基準の弾力化による農地の利用増進事業



遠野市議会・委員会室