誠信クラブ
行政視察

2007.07.11





長野県小諸市
「学校給食による地産地消について」



長野県小諸市

 小諸市は、長野県の東部で浅間山の南斜面に広がる市である。
 江戸時代には中仙道・北国街道・甲州街道の交わる交通の要所の城下町として栄え、明治時代には問屋商人による商業都市となった。
 現在、上信越自動車道の開通、第3セクターしなの鉄道の開業、市内環状道路網の整備を行い、「高原に育む活力ある詩情公園都市」をキャッチフレーズとて都市環境整備を進めている。
 小諸市は島崎藤村のゆかりの地で、平成4年に藤村生誕120年・没後50年を記念して「小諸・藤村文学賞」を創設している。
 人口は約45,000人、面積は約98.66ku。


小諸市役所

小諸市議会・会議室

小諸市の農業の取り組み

 国の「食料・農業・農村基本計画」に基づき、営農支援センターを核として、様々な関係機関との連携により農業農村の持つ多面的機能の維持・発揮につながる地域営農システムを構築し、新規就農・農地の利用集積などの施策により地域の担い手となる農業経営者の育成や、遊休農地の活用を図っている。
 また地産地消の推進のために、農作物加工施設の運営を行なう農村女性団体や農作物直売所も積極的に支援を行なっている。



学校給食による地産地消の取り組み


 小諸市においては、将来を担う子どもたちに安全・安心な学校給食を提供するために、地場農産物の活用を実施している。
 昭和63年より地元生産者と連携し地元生産者と連携して、無・減農薬野菜の学校給食での使用を開始した。
 当初は14品目であった地場農産物も44品目となり、各校に配置している栄養士により特色ある献立を作成し、自校方式を生かして旬の野菜を使った作りたての給食を子どもたちに提供している。
 また子どもたちに収穫体験や、保護者への試食会などで家庭や地域においても給食を通じた食育への関心を高めている。
 課題としては、地場農作物を提供していた生産者の高齢化により、安定した地場農作物を供給できる組織作りが求められている。


滝澤栄養士からパワーポイントによる説明

生産者と学校給食の共同


1 収穫体験
・・・毎年3年生が生産者の畑で収穫。
・・・収穫した翌日に給食に入れる。
・・・後日生産者にお礼の作文を書く。
2 教科等と連携した指導
・・・生産者を講師として招く
3 給食時間に放送
・・・生産カレンダーで生産者の方を紹介
4 生産者の顔や名前・地域・食材を掲示
5 給食だよりの配布
6 給食試食会により家庭に伝達
7 生産者を学校給食試食会へ招待


地産地消の事業効果

1 安全でおいしい旬の味を味わえる。
2 地元でとれた産物を知ることで食べ物に興味を持つことができる。
3 郷土愛が生まれる。
4 感謝の気持ちが生まれる。
5 農業に興味がもてる。
6 環境への配慮と資源の削減につながる。


センター方式の場合


 笠岡市の場合、学校給食はセンター方式で、小諸市のような自校方式とは異なる。
 自校方式のほうが地域に密着した柔軟な対応がとれるという事と、作りたてを食べれるというメリットがあるが、センター方式でも知恵をしぼれば地場農作物を積極的に利用する事も可能なはずだ。
 笠岡湾干拓地内に体験農場を整備して、自分たちが育てた農作物を給食に利用するという方法もある。
 自ら育てて収穫した農作物が給食として口に入るという事は、食べ物に対しての感謝の心を育むという大きなメリットがあると思う。
 また保護者も地産地消に対しての意識が高まり、家庭でも地場農作物の利用が拡大され、笠岡市の農業のブラント化も推進されるはずである。
 何とか学校給食の地産地消運動を積極的に展開できればと思う。

 笠岡市の給食センターは老朽化して、新しい施設の建設が望まれている。
 小諸市の取り組みから考えると、センター方式より自校方式の方が様々な部分で利点があると改めて感じた。
 今後は自校方式を含めてエリア別のセンター方式も視野に入れて考える事も必要ではないだろうか。