誠信クラブ
行政視察

2007.04.11




鳥取県倉吉市
「倉吉市のブランド化計画について」


鳥取県倉吉市

 倉吉市は、鳥取県のほぼ中央に位置し、南側は岡山県と隣接し、平成17年に隣接する関金町と合併した。
 倉吉市の農業は、鳥取県ブランドのスイカ・梨などの果実が中心である。
 農業とともに基幹産業である工業の製品出荷額は増加傾向であるが新たな工業団地の整備と企業誘致が課題である。
 商業については、広域商業の中心性が低下している。卸売機能の強化と中心市街地の活性化が課題である。
 総面積は約272.15u。人口は約52,000人。


倉吉市役所

倉吉市ブランド化計画・概要

 倉吉市は合併により関金地区が加わった。
 その関金地区の地域資源を有効に活用して、市全体の恵まれた地域資源(自然環境・歴史文化・農産物・温泉・古い町並み・地域特産物)の組合せと取り組みの連携によって、倉吉市の総合的な魅力や価値をつくりだす取り組みを進めて、全国に情報発信しようという計画である。
 この計画により、地域内外の人々から評価・支持され、交流が深まり地域が活性化するべく、地域の魅力を高めて交流人口の拡大を図ろうとしている。



倉吉市ブランド化計画・基本計画

1.魅力ある歴史・文化の活用
2.情緒ある白金の湯の再発見
3.健康の食文化の伝承と創出
4.自然を活かしたグリーンツーリズムの推進
5.大自然の育む農林水産物の育成と活用
6.風情ある古い町並みの保存と活用
7.文化・芸術等のふれあうまちをアピール
8.自然の宝庫、打吹山の周知と活用

基盤整備 (1年目から3年目)
育成期 (4年目から7年目)
飛躍期 (8年目から10年目)


倉吉市議会・応接室

NPOとの協働による新市ブランド化計画の策定について


平成17年9月に、倉吉市では新市建設計画に掲げている新市の将来像のブランド化を目指して、新市ブランド化計画を策定する事とした。
 この
新市ブランド化計画を策定するにあたり、テーマ毎に専門家の説明、助言を受けながら住民の意向、方針等を集約するため、住民、関係団体、企業等を対象にした分科会等の開催、さらに新市内外に取り組み内容をアピールするためのマスコミ等の活用によるPR対策を行政・市民・NPOと協働で行う事とした。
 これらの業務に係る見積書及び企画提案書を市内にあるまちづくりを目的とする3NPO法人へ依頼し、各NPO法人より見積書及び企画提案書について提出を受け、民間の委員を含めた企画提案書の審査委員会を開催し、特定非営利法人「養生の郷」が業務委託先に決定した。

 


民間と協働による事業の推進


第1回新市ブランド化計画策定事業イベント

平成17年11月5日(土)
 「こころもからだも温かい〜里見ゆかりの郷」
 約130名の参加者
 講演会・パネルディスカッションで倉吉市にある多くの地域資源の中で、歴史文化をテーマとしてブランド化を模索したフォーラムの開催。

第2回新市ブランド化計画策定事業イベント
平成17年11月26日(土) 

 「実践的・食料産業クラスター学習フォーラム」
 約80名の参加者
 地域資源の中の農産物、地域特産品等の今後のブランド化への取組みについて、農林水産省担当者の方の講演と質疑応答形式のパネルディスカッションを開催。

 


自然の宝庫、打吹山の周知と活用
倉吉市役所に隣接している打吹公園

風情ある古い町並みの保存と活用
白壁土蔵群


第3回  新市ブランド化計画策定事業イベント

平成18年1月28日(土) 
「薬膳と湯治〜地域資源を生かした町づくり〜フォーラム」
 約130名の参加者
 倉吉市の新市ブランド化事業の一環として、行政と民間との協働の観点から特定非営利活動法人養生の郷主管による、フォーラムで、「薬膳(食文化)」「湯治(温泉)」を地域資源として健康志向の観点から新市の活性化策を模索するため、講演・座談会・薬膳試食会を開催。

第4回  新市ブランド化計画策定事業イベント

平成18年3月4日(土)
「新たな発見!倉吉グリーンツーリズムフォーラム」
約110名の参加者
 倉吉市で行なわれている「グリーンツーリズム」を地域資源として、新市の活性化策を模索した。グリーンツーリズムとは、都市部の人々が緑豊かな農村地域で、そこの自然・文化・人々との交流を楽しむ、滞在型の余暇活動である。

 倉吉市のブランド化計画の実践活動事業はNPO法人が牽引役で地域資源の活用を積極的に推進している。
 このNPOの理事長さんは合併した関金町の元町長さんで、合併して町長を辞してもまちづくりに関わりたいという熱心な方である。
 自治体が先行してブランド化を推進している事例が多い中で、今後はまちづくりに熱い思いを持つ市民との協働が不可欠であると感じた。
 笠岡市のブランド化の推進も市民と共に積極的な議論を重ねていく必要がある。