誠信クラブ
行政視察

2007.02.07




東京都・八丈町
「八丈島デポジット事業」


東京都・八丈町

 八丈島は、東京の南方海上約287kmに位置しており、気候は黒潮暖流の影響を受けた海洋性気候である。
 年平均気温は18.3度、高温多湿で雨が多い。
 面積は約68.34ku、島の周囲は約58.91kmで、地形的には富士火山帯に属する火山島で、南東部を占める三原山(700.9m)と北西部を占める八丈富士(854.3m)から成り立っている。
 人口は、約8,700人で、花き観葉植物栽培と沿岸漁業が主な産業である。。
 また八丈小島は、八丈島の北西約7.5kmの海上にあり、島のほぼ中央にあたる太平山(616.8m)から成る面積約3.1ku、周囲8.7kmの小さな火山島である。
 八丈小島は昭和44年6月に全員離島し、現在は無人島である。
 
 今回の視察は、広島空港から羽田空港そして東京に1泊、次の日に羽田空港から八丈島空港、そして八丈島に1泊して、八丈島空港から羽田空港、羽田空港から広島空港という行程である。
 全日空と提携しているホテルを利用するシーズンオフの割安パックなので、往復の飛行機料金と東京と八丈島の宿泊込みで7万円少々という格安ツアーを利用した。


八丈島

八丈町役場

八丈町役場・会議室

町長は上京中という事で助役さんからご挨拶

八丈島と笠岡

 八丈島と笠岡は離島としての交流がある。議会事務局長は、笠岡市の北木島へ海援隊の取り組みについて視察に来られたという。また昨年、離島振興の会議で笠岡市の職員も八丈島に来島したという。


クリーンアイランド


 八丈町では「21世紀のクリーンエネルギーのモデル島を目指して」というキーワードを発展させて「クリーンアイランド」としての空き缶散乱防止・環境美化・資源の有効活用・ゴミ減量リサイクルを目的に「デポジット制度」を導入した。
 また、地熱発電・風力発電に対しても積極的な取り組みを進めている。
 離島という事で、一般廃棄物の中間処理や再利用という重要課題への取り組みは大変熱心で、環境問題に対しての意識は高い。


八丈島デポジット事業

 八丈町ではリサイクルに関しての関心が高く、平成10年9月1日から平成15年8月31日まで5年間デポジット制度の試行を行なってきた。
 計画段階では島内全店参加によるノンシール方式を検討したが、全店の参加が見込めず協力店の参加によるシール方式で試行を行なってきた。
 国の法制化が進まないのと、全店参加が実現できなかったため、協力店がシールを貼る作業や本数管理で負担が多く、5年間の試行でデポジット事業を終了した。
 デポジット制度による課題や成果を、今後の管理型最終処分場の適正運用、一般廃棄物の中間処理や再利用に活用しており、平成15年9月からは、ペットボトルの分別収集を加えて、リサイクルの推進に取り組んでいる。


自動回収機

八丈島の風力発電

デポジット制度


 デポジット制度とは、商品の価値に預かり金(デポジット)を上乗せして販売し、使用後に回収所に返却すると、預かり金が払い戻される。
 八丈島では飲料水の空き缶とペットボトルが対象であるが、島内全ての販売業者が参加ができないと、デポジットの容器かどうかの判別ができない。
 そのため八丈島では協力業者の販売する容器にシールを貼らなければならなかった。
 デポジットシールが貼ってある空き缶やペットボトルは、島内の回収所か自動回収機(空き缶のみ対応)に返却すれば、預かり金の10円が返却される仕組みである。
 国全体で法制化すれば、面倒なシールを貼る作業がなくなり、効果が期待できると言われている。


事業効果
@回収率が80%を越えた。
A散乱ゴミが著しく減った。
B住民の環境意識が高まった。
C自由参加方式の可能性と問題点を示した。
Dデポジットの意義を全国にアピールした。

課題
@不参加店の問題を解決しなければならない。
A販売店の負担が大きい。

笠岡市が取り組むとしたら
 まずはイベント会場でデポジット制度を行い、市民に対して環境に対する意識を高める事からスタートしてみてはどうだろうか。
 次に島地部だけデポジット制度を行うという方法もあるが、慎重に取り組まなければ長続きできないのではないか。
 デポジット制度は、国全体での法制化が必要だと思う。


八丈島地熱発電所

八丈島の約1/3の電力を発電しているという
東京電力の職員に丁重なる説明を戴いた