議会運営委員会
行政視察

2006.11.14




埼玉県戸田市
「一問一答・議会運営全般について」


埼玉県戸田市

 戸田市は、埼玉県の南端に位置し、荒川を隔てて東京都板橋区・北区に隣接している。
 平均海抜4.5mの平坦地で気候は温暖である。
 東に国道17号・西にバイパスと首都高速道がそれぞれ南北に縦断し、北に外かく環状道路が東西に横断している。
 JR埼京線が南北に縦断し、新宿へは約20分という距離で、交通の利便性や住環境の快適さから、平成14年に人口11万人を超え、今後も増加が見込まれている。
 (戸田市には以前は駅がなくバス交通のみであったが、在来線の駅を戸田市内に3箇所設置するという事で新幹線の通過を認めた。3駅の設置により人口が増えている。)
 また「ボートのまち」と呼ばれ、1964年の東京オリンピックや国民体育大会のボート競技会場となった静水コース「戸田ボートコース」は、まちのシンボルである。
 人口は約117,000人、面積は約18.17km2


戸田公園駅から市役所まで
コミュニティ循環バス「トコバス」に乗車
ワンコイン  100円

戸田市役所


議会運営について


 戸田市議会(定数27名)では、2002年に議会運営委員会で政務調査費の領収書添付や一般質問の時間制限などの協議要望があり、特別委員会の設置を決定した。
 2003年2月臨時会において、議会改革特別委員会(委員8名)を設置し、以後ほぼ毎月1回のペースで会議を行い、一般質問の一問一答方式の導入や委員会傍聴の拡大、政務調査費への領収書添付を実現してきた。
 また2006年6月定例会からはインターネットによる本会議ライブ中継も開始した。
 議論する場を「常設」し、確実に議会改革を進めている。


一問一答について

 戸田市議会では、2004年2月に一括質問・一括答弁から、一問一答方式に改める事を決定し、2004年6月定例会から一問一答方式を実施した。
 そして2005年6月定例会に一問一答方式をいくらか改正した。
 
 2004年3月定例会まで
 「一括質問・一括答弁」
* 3回までの質問制限
* 1回目の質問時間は20分以内
* 2回目からは時間制限なし

 2004年6月定例会から
 「一問一答方式」
* 議員席の前に対面型質問席を設置
* 初回から執行部と相対する形
* 1回目のみ総ざらいの質問・答弁
* 2回目から一問一答
* 質問回数の制限無し
* 質問時間は1人40分以内(答弁含まず)

 2005年6月定例会から
 「一問一答方式の改正」
* 1回目は、総ざらいの質問・答弁
    (通告した件名の順番ごとに)
* 2回目からは要旨ごとの一問一答
 
 質問通告
* 通告書は所定の様式で議会事務局へ提出
 (FAX・電子メールによる通告も認める。但し送信後に議会事務局へ電話をする事。)
* 通告に当たっては、件名・要旨を具体的に記入
 (明確な質問・答弁とするため、執行部との事前調整を十分に行う事を申し合わせている。通告書の下に事前調整の希望日時・希望場所を明記。)
* 通告は、招集告示日の午前8時30分から受け付け、招集日の午後4時に締め切る。
* 自分より前に質問する議員と件名もしくは要旨が重複した場合は、招集日翌日(その日が休日の場合は、その次の日)の午後0時までに限り、それぞれ件名もしくは要旨の変更を認める。


戸田市議会・第1委員会室


戸田市議会・第1委員会室

戸田市議会本会議場
傍聴席

一問一答方式導入の効果

 以前は議論がかみ合わないケースもあったし、自分の意見に多くの時間を費やしたりしていたが、一問一答方式を導入して、市政をただす姿勢が強くなった。
 議員側も執行部側も事前の準備に時間をかけるようになった。

一問一答方式導入による課題


 27名の議員のうち20人前後質問するので3日間の一般質問では時間的にきつくなった。
 1人40分以内(質問のみ)の質問時間を見直そうという意見も一部からでている。


今後の議会改革について

 議員の倫理規定、長期間議員活動が出来ない場合の報酬減額規定、市の附属機関への議会選出委員の在り方を現在議論中。
 報酬減額規定については、該当する議員が出てから規定を設けるのではなくして、何も問題ない時期にこそ設ける必要があるという事で議論を進めている。
 倫理規定については、条例を制定すべきという意見と、信条として宣言すればよいという意見に分かれているいう。
 2003年12月定例会で「戸田市みんなでつくる犯罪のないまちづまり条例」を議案提案で制定した実績がある。戸田市にとって必要なテーマを見つけたら超党派で議論を進めて実効性のある条例を提案したいという。

 


戸田市議会・本会議場

対面式・質問席

対面式・質問席