新潟県柏崎市は、新潟県の中部に位置し日本海に面している。人口約8.7万人。面積は319.29ku。S15年7月に市制施行している
原発建設を契機にして、地域整備・北陸自動車道の開通・工業団地造成・柏崎情報開発学院・ソフトパーク整備・2つの4年制大学の開学等、大きく飛躍している。また市役所南の旧商店街地区を再開発し、中心市街地の活性化事業も推進している。
柏崎市は、原子力発電所のある街である。市民も議会に対しての深い関心を持っている。そうした事情も踏まえて柏崎市議会において、議会自らの新しい姿勢を示すべく調査・研究するための「議会の地位と権限に関する調査特別委員会」を平成10年6月に設置した。2回の研修会と11回の委員会を開催し、平成11年2月にその最終取りまとめを行った。その内容は4点の意見書を提出し、24項目の委員会合意事項としてまとめた。
合意事項の主なものとして、委員長報告は原則委員長が作成する。子ども議会・夜間・日曜議会の開催。正副議長選挙における所信開陳。傍聴規則の見直し等が掲げられている。
そしてその合意事項に係る実践状況の主なものとして、委員会の全文記録化。委員会審査の公開。決算審査の改正。議会傍聴規則の改正(傍聴者の録音・指針撮影をフリーにした。)本会議を庁舎内テレビ放映・FMコミュニティ放送での放送。議会だよりの音声版の発行。点訳広報の実施。また議場における一般質問の質問席を平成11年6月定例会から対面方式とした。
対面方式
「議会の地位と権限に関する調査特別委員会」の取りまとめを受けて、平成11年6月定例会から一般質問の質問席を対面方式とした。
従来は議長席の前の質問席から議員に向かって質問をして、執行部とは直接目線が会わない形だったわけだが、新たに議員席の一番前席の一番奥に「質問席」を設け、その「質問席」のすぐ隣に答弁を聞いている時間に座る席を設けた。これで執行部、特に市長の正面で目を合わせての質問が行えるようになった。
この対面方式にかかった経費は、325,500円という事である。対面方式にして執行部と対面していることで以前に比べて違和感がなくなったという事である。デメリットとして同僚議員からのアドバイスを受けにくいという事である。
笠岡市議会においても、笠岡市議会の改革の1つとして議会の「対面方式」を検討している。
本会議において、議員が質問・質疑を行う場合、議員は登壇し、議員席に向かって発言するようになっている。このことから、平成11年5月に議員から議長宛に、「論点が市民にわかりやすいように、人間本来の会話方式で、相手の顔を見ながら質疑・討論を行うことが当然である。」として本会議の質疑方法についての改善要望が出された。これを受け、平成11年度に議会運営委員会等において視察・調査を行い、平成12年3月14日の議会運営委員会で、「対面方式の導入について、基本的には了承したが、財政事情が厳しく、好転するまでの間、継続して審議を行っていく。」と保留にしている。
今回の議会運営委員会において、いろいろな課題を整理して今後の具体的な検討を行うことが必要という事で、再度、先進地の視察調査を行った。
対面方式にした場合、執行部側に向かって質問することにより、会議に緊張感が生まれるし、質問・討論等が活性化されるはずである。
しかし、議場の改装並びに時間制限の問題、一問一答方式の導入の検討が必要である。またCATVの導入により視聴者が聴いて分かる議会運営の検討も必要である。本年12月定例会から、一般質問の中に、個別質問と代表質問という区分けに変更となるが、今後の運営方法も再度考え直す必要もあるのではないか。
対面方式の導入については、議員定数との兼ね合いが大きいことから、改選後の来期に導入することを前提に、平成16年度予算化を目指し、平成15年9月までに結論を出す予定である。笠岡市議会が、対面方式の導入になった場合、平成16年6月議会終了後、改装開始(工期3ヶ月とする。)を行い、平成16年9月議会より導入できるような形が考えられる。ただ今回の柏崎市議会の取り組みを見ると案外簡単に実施できるように思われるので、前倒しの検討も必要ではないだろうか。
夜間委員会
柏崎議会は前任期に設置した「議会の地位と権限に関する調査特別委員会」で活性化方策を協議し、その中で市民が傍聴しやすい夜間委員会なども必要に応じて開催する方向が打ち出した。
そうした経過から、平成12年1月20日、夜、「柏崎駅等周辺整備特別委員会」が初めての夜間委員会を産文会館第2会議室において開催した。庁外で開かれたのは柏崎市では初めてで、会場には市内各地から予想を上回る62人が傍聴に訪れ、委員会の様子を熱心に見守る一方、活発な意見や要望も飛び出し、関心の高さを示した。
「柏崎駅周辺等整備特別委員会」は「柏崎駅の位置付けと柏崎駅及び駅周辺はどうあるべきか」を共通問題として取り上げ、平成11年6月以来、市民生活とかかわりの深い課題を検討してきたことから、まず実践に踏み切った。
この夜は、最初に6人の委員が1人1テーマを担当して、これまでに提案した内容をそれぞれ総括して意見を述べた。そして委員から「駅周辺の緑化」を再提案し、緑化の認識、駅周辺の緑化の現状、今後の方向性と当面の対応の点から「駅南北に植栽されている街路樹等の維持管理の充実」などを具体案に示した。
これを受けて、他の委員が「街路樹の管理など明確な役割分担をしながら、デメリットを克服しつつ推進を、という考えはもっともである。」「植栽をどこの場所にするかが問題である。駅前の現状のレイアウトを検討する必要があるのではないか。」などを提案した。
一方、傍聴の人たちから「緑化はいいことだが、駅前の周辺整備が第一の問題ではないか。」「駅前は30年、40年前と変わっていないが、どう考えているのか。」などの意見や要望が寄せられた。柏崎駅長は「周辺整備はJRの重要な課題である。広場を含めた駅全体のスペースとして検討してもらう方がベターだと思う。」とも述べた。
この夜の委員会について委員長は「天候が悪かったにもかかわらず、予想以上に大勢の人から傍聴して戴いた。また、多岐にわたる意見や要望を戴き、これからの参考にしたい。駅通り商店街、駅南の地域の人たちとは今後も『出前委員会』のような形で話し合いを持っていきたい。」とした。
市民にあまり関心のない事項とか、また開催時の天候等の影響もあって、その後の夜間委員会では傍聴者も減ってきているとの事である。夜間委員会の開催にもいろいろな工夫も必要であるとの事である。
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