笠岡市・矢掛町中学校組合議会

行政視察

2001.10.25〜26

静岡県袋井市・小笠山総合運動公園 「静岡スタジアム エコパ」

静岡県清水市 「中学校部活動指導者派遣事業」





静岡県・袋井市

 袋井市は、静岡県の西部に位置し、東西14.4キロメートルの南北 14.9キロメートルの間に総面積80.10平方キロメートルの市域が 広がる田園都市である。東端は掛川市と小笠郡大東町に、 西端は磐田市に、北端は磐田郡豊岡村と周智郡森町に、 南端は磐田郡浅羽町と小笠郡大須賀町にそれぞれ 接している。
 また、市の中央部を東海道新幹線、東海道本線、東名高速道路、 国道1号線など、日本の主要交通路が横断し、 東京まで240キロメートルの、大阪まで320キロメートルと、 日本のほぼ「どまん中」に位置している。
 地域は平坦で、市の中央を流れる原野谷川や太田川、 宇刈川などに沿って市街地と肥沃な田園地帯を形成している。 西北部の磐田原台地や東南部の小笠山等の丘陵地も低くなだらかで 茶園を中心に樹園地として利用袋井市は 静岡県の西部に位置し、温暖な気候や豊かな自然、遠州三山などの 古い歴史や文化に恵まれている。
 市民一人ひとりが生きがいを持ち、学びという向上とゆとりという 遊び心の両輪で進める「生涯学遊」 を基本として、ゆとりと幸せを実感できる「日本一健康文化都市」 の実現をめざし、市民と行政が一体 となってまちづくりを進めている。東海道五十三次27番目の 「どまん中」の宿場でもあることから、 「どまん中」を地域ブランドとして確立し、過去・現在・未来へ と続くまちづくりを進めている。
 平成13年は、東海道400年祭にちなみ、「東海道五十三次シン ポジウム袋井宿大会」の開催をはじめ、 様々な記念イベントも行っている。また、2002年には、小笠山総合運動公園静岡スタジアムエコパを 舞台に、ワールドカップサッカー大会が、さらに2003年には、 NEW!!わかふじ国体と全国障害者 スポーツ大会が開催される。

 

そのスケールの大きさに唖然・・・・・「エコパ」内部



小笠山総合運動公園 「静岡スタジアム  エコパ」 「アリーナ」

 静岡県袋井市 と掛川市にまたがる小笠山の北西麓に位置する小笠山総合運動公園 は、2001年4月22日開業の JR東海道本線「愛野駅」から徒歩10分、東名高速道路の掛川イン ターチェンジから8分、 袋井インターチェンジから14分の所要時間である。
 小笠山総合運 動公園は、 2001年5月10日に一部を除いて開園した。収容人員は51,349人。ユニバーサルデザインを各所に取り入れた「人と環境にやさしい」スタジアムである。平成8年の一般公募作品の中から名付けられ、『エコパ』は、「エコー・歓声のこだま」と「エコロジー・環境」を意味する『エコ』と、「パル・仲間」と「パーク・公園」を意味する『パ』を組み合わせた合成語である。

袋井市と掛川市にまたがる小笠山北西麓に広がる公園の面積は269haで東京ディズニーランドの約3.3倍の広さである。
 2002年FIFAワールドカップの静岡開催会場として、静岡スタジアム エコパでは、1次リーグ2試合と準々決勝の開催が予定されている。
 また2003年、第58回国民体育大会(NEW!!わかふじ国体)のメイン会場として、静岡スタジアム・エコパでは開会式、閉会式と陸上競技が、アリーナではバスケットボール少年男子が開催される。

健康・スポーツゾーン
 観客席5万席のスタジアムをはじめ、アリーナ、テニスコート、多目的運動広場などスポーツを通じて健康増進をはかるゾーンである。

静岡スタジアム・エコパ 
●補助競技場 ●メインアリーナ  ●サブアリーナ  ●屋内プール  ●テニスコート  ●多目的運動場 ●球技場

健康・レクリエーションゾーン
 子供からお年寄りまで幅広い年齢層の県民が、四季を通じて十分楽しめるようなレクリエーションゾーンである。
●広場(いこい、花、水辺、林間、アドベンチャーの森)  ●レクリエーションプール●ジョギングコース ●サイクリングコース ●クロスカントリーコース

健康・自然ゾーン
 健康・自然ゾーンは、170ha。小笠山の豊かな自然の中で、四季折々の花や小鳥のさえずりなど、自然とのふれあいを存分に楽しめるゾーンである。
●自然観察の森 ●ビオトープ ●野鳥の森 ●ふれあい散歩道

付帯施設
●駐車場 ●エネルギープラント ●研修・宿泊施設 
 豊かな自然との共生を実現するため、小笠山の山並みをイメージしたデザインや、水利用などの自然にやさしいシステムを導入している。 スタジアムの屋根に降った雨水を地下貯水槽に溜め、ろ過した後、芝生への植栽や便器洗浄などに利用する。 また、節水型便器を設置し節水を図るなど、省資源・省エネルギー対策を積極的に取り入れている。

 年齢、体格、障害の度合いに関係なく、誰もが利用できるというユニバーサルデザインのコンセプトに基づいた設計。場内の各施設の案内板など、快適さへの配慮が隅々まで活かされている。
 メインスタジアム「エコパ」以外の施設は、現在工事中であった。
 JR新駅の愛野駅から会場まで、歩道整備されている。一箇所あった坂は、「動くエレベター」と「ケーブルカー」が無人運転できるようになっており、足の不自由な方にも配慮している。
 
 今回の施設は、スケールが大きすぎて笠岡のアグリスポーツ公園とは比較にならない。ただ駅からの歩道整備は大変参考になった。愛野駅から小笠山総合運動公園までの距離と、笠岡駅からアグリスポーツ運動公園までの距離は概ね同じ程度だと思う。笠岡駅からアグリスポーツ公園までの歩道整備は是非とも必要である。





静岡県・清水市

 清水市は、東京と名古屋のほぼ中間、駿河湾奥の西辺に位置し、北は山梨県富沢町、北東は富士郡芝川町、庵原郡由比町、西は静岡市にそれぞれ接している。現在の総面積は227.66ku。現在の人口(平成13年2月末現在)は23万7,527人。世帯数は、8万4,183世帯。現在、隣の静岡市との合併について議論を重ねている。


清水市議会の委員会室にて



中学校部活動指導員派遣事業

清水市では、中学校の部活動に対し各学校の希望に応じて、教育委員会が必要と認める種目について、その学校長の判断で専門技術を有する指導者を派遣する「中学校部活動指導員派遣事業」を平成9年度から行っている。
 近年、教職員数が減少し、部活動指導者の不足が大きな問題となっている。そこで、専門的技術をもっていて、中学校での部活動指導を希望している地域在住者を募り、各中学校へ派遣している。運動部については、市スポーツ指導者養成大学特別コースを修了して資格を得た者を、また文化部については、吹奏楽の指導を希望する学校が多いため、市吹奏楽連盟と連携して、現場での指導経験を基に人選した者を派遣している。
 指導員の多くは勤務しているので、指導時間を調整するのが大変である。また顧問が不在でも単独で指導できるようにしなければならないという課題がある。

 スポーツ指導者養成大学は、平成13年度において4月〜12月まで24回の一般コースを受講する。19回以上の公認出席すれば修了証と「清水市公認スポーツ指導員」の資格を与えられる。養成大学は仕事の勤務を終えた、19時から開催している。科目として社会体育概論・運動生理学・体育トレーニング論・スポーツ医学・スポーツ栄養学・スポーツ心理学・スポーツ指導論・スポーツ行政論があり、近隣の大学の教授・助教授・医師・栄養士等が講師を務めている。
 こうした一般コースの修了者は平成12年度までに約1500名となっている。
 一般コース修了者は、地域スポーツ振興に取り組み、生涯スポーツの指導の指導者として、体育指導委員会や地区体育会等で活躍している。

 特別コース(中学校部活動指導者コース)の受講資格は、過去にスポーツ指導者養成大学を修了している者、日本体育協会公認スポーツ指導者、保健体育教員免許所有者のいずれかの者で、中学校体育連盟加盟競技種目を指導できる者のみ受講できる。
 特別コースは5回開催され、修了者は本人の希望により、市内中学校長の要請があれば、教育長の承認を受けた後、中学校部活指導員として活動する。平成12年度までに特別コースを修了した者が約300名いるという。

 現在、清水市内14中学校で28人の指導員が中学校に派遣されて指導している。報酬は1回、5000円で年間の限度額が1人22万円以内となっている。主に土曜日若しくは、日曜日の指導が多いという。清水市の場合、土曜日と日曜日どちらかは部活動のない日を作るよう指導しているという。
 中学校の顧問が担当部活動についての経験や専門性に乏しい中で、指導員の献身的な指導によって、生徒は意欲をもって取り組むようになっているという。
 サッカーの盛んな土地柄ではあるが、サッカー以外の様々なスポーツに対しても熱心な中学校の部活動を展開している。来年度からの完全週休2日制に伴い、部活動は今以上に重要になってくるだろうし、笠岡市においても今後検討していく必要があると思う。