環境福祉常任委員会・行政視察 2005.05.18〜20 |
愛知県岩倉市 愛知県岩倉市は濃尾平野のほぼ中央に位置している。 名古屋市のベッドタウンとして人口は増えて現在約48,000人だが、面積はわずか約10kuである。 人口密度は愛知県の市部では名古屋についで2番目である。 「健康で明るい緑の文化都市」づくりを推進し、行政施策の重点事項として以下の4項目を掲げている。 @「ふれあいと自立の、明るく健やかな都市」 A「環境を保全し創出するうるおいのある都市」 B「ゆとりある教育と生涯学習の、文化がかおる都市」 C「便利で快適な、活力ある都市」 |
岩倉市役所 |
岩倉市議会・委員会室 |
岩倉市・新庁舎建設に際して 岩倉市では平成13年4月にに新庁舎が完成した。 新庁舎建設に際して、「ワンストップサービス」の総合窓口を庁舎の目玉として検討してきた。 平成8年に岩倉市新庁舎OA化検討委員会を設置し、平成10年3月に総合窓口検討報告書を作成し 、「窓口業務の中でも機械化、単純化できる業務を1ケ所の窓口に統合し、市民を待たせない迅速かつ正確な業務を行う総合窓口」を目標に設定した。 平成11年10月から、証明の発行方法、届出の受付方法にいたるまでの個別事項を検討した。 検討会議は平成12年12月までの14ケ月間で27回に及び、先進地事例の自治体も5ケ所視察した。 その結果としてまとまったのが岩倉市の総合窓口システムで、平成13年4月1日の新庁舎への移行と同時に稼動した。 |
総合窓口の基本コンセプト @窓口業務の中でも、機械化、単純化できる業務を1ケ所の窓口に統合し、市民を待たせない迅速かつ正確な業務を行う総合窓口 A総合窓口のために職員の対応に無理が生じれば、他の部分で市民サービスの低下をきたす。そこで市民の利便性、快適性を向上しながら、職員の負担をも軽減できるもの。 B「その業務は、総合窓口に移りました。」と言えば、新たなたらい回しを作ることになる。担当課でも従来どおりの業務を行う。 結果として、「需要が多く、窓口1つで行うことで、市民の負担を軽減でき、なおかつルーチンワークが簡潔で担当課の負担を目に見えて減らすことができる業務」「あまり需要がなくても、それだけで完結し、他に派生していかない、あるいは疑義を生じさせない業務」を窓口で取り扱っている。 |
岩倉市役所・エントランス とにかく明るくて開放的である。 |
岩倉市役所・総合窓口 市民と会話を進めて証明書を発行する事により、 自動交付機とは違った人間味が感じられる。 |
総合窓口 届出窓口は整理券を発行して順番に呼び出すが、証明窓口は銀行のCD機の方式で、1列に並び空いた窓口へ入る方法をとっている。 証明発行の来客が、誤って整理券を取って届出窓口へ来ても、「証明窓口へ行って下さい。」とは断っていない。 岩倉市の市民窓口には、市民窓口課長(1人)、市民窓口係(13人)、保険医療係(10人)、パート職員(1人)で、総合窓口を形成している。 窓口を6つにした事で、現金集計など5時から行う業務が増えたこと、昼食時間の窓口体制をすっきりしたものにするため、市民窓口係を3つのグループに分けて、30分の時差出勤を行っている。 朝30分遅れの職員がそのまま午後1時までを勤務し、午後2時まで昼休憩、5時以降5時30分まで残務処理をしている。 そして金曜日だけは2時間の延長窓口を行っている。 |
総合窓口・整理券発券機 |
窓口の整理券番号 |
岩倉市長・石黒氏 総合窓口でお会いし、庁舎の特徴を伺う。 環境問題に配慮した庁舎について 丁寧に説明して戴いた。 |
市民案内 市民案内は派遣会社から常時2名派遣、 総合案内と電話の交換業務をこなし、 市民からは大変評判が良いという。 |
庁舎の1階のオープンフロア 図書館のように高校生が勉強している。 夜9時まで開放しているという。 |
市民会議室 2階の市民会議室も高校生が勉強していた。 こちらも夜9時まで開放している。 |
2階の中庭 環境に配慮している。 4階にもこれより広い庭がある。 |
ミニ・コンサート場 1階入り口にミニ・コンサート場があり、 市民コンサートも開かれるという。 |
太陽光発電 屋上にはモジュール出力167Wを300枚で 50KWの太陽光発電装置を設置している。 雨水はタンクに貯蔵して中水として利用している。 いろいろな部分で環境に配慮した庁舎である。 |
天然ガス・コージェネレーション 庁舎の地下に110KWが2台の 発電機を設置している。 冷暖房の電力補助や 停電時の非常電力にも使用ができる。 |
三重県鳥羽市 三重県鳥羽市は三重県の東端部に位置し、志摩半島の北部で4つの有人島を包容している。 海岸線は、伊勢湾と熊野灘に面し、美しいリアス式である。温暖な気候と豊富な海洋資源に恵まれ、風光明媚な伊勢志摩地域の海の玄関口である。 有人島をもつ市として、笠岡市と同じような問題を抱えている。 今回は島地部の福祉・医療政策について、同じような課題を持つ鳥羽市を環境福祉常任委員会の視察地とした。 |
鳥羽市役所 |
鳥羽市役所3階・議会事務局の廊下 昭和37年建設の古い庁舎であるが、 当時としては画期的な灯台をイメージした ラセン階段と、庁舎も船をイメージしたような 曲線的な構造となっている。 |
鳥羽市の情報化施策 鳥羽市では、「総合情報システムの構築」「情報通信基盤の整備」「情報化施策の推進」の3つの項目を掲げ、平成14年3月に「鳥羽市テレトピア計画」を策定し情報化施策を推進している。 鳥羽市におけるケーブルテレビ網は、第3セクターの株式会社ZIVにより平成14年3月に本土整備され、平成15年3月には本土から答志島・菅島・神島・坂手島の4離島へ海底光ファイバーを敷設し、各島内全域に伝送路(幹線伝送路を光ケーブル、加入者系セル内を同軸ケーブルにてネットワークするHFC方式)を整備し、市全域をネットワーク化した。 そして市役所に情報センターを設置し、図書館・小中学校等・市内67公共施設をCATV回線や光ファイバを使ってネットワーク化を図りインターネットが利用できる環境を構築した。 離島までの整備により、遠隔通信授業(テレビ会議)に大いに役立てている。 今後、遠隔医療をはじめとして離島の福祉・医療にも貢献できる体制づくりが望まれている。 笠岡の離島にも早期にCATV網の整備が必要と痛感した。 |
鳥羽市の離島における高齢者福祉 鳥羽市の総人口、24,132人のうち、離島人口は4つの有人島で4,886人で、全体で約20%である。 離島の高齢化率は32.5%と本土の高齢化率23.5%に比べ、高齢化率が進んでいる。 離島のうち、デイサービスなどを受けられる施設は、平成15年度に神島に「介護予防施設しおさい」、平成17年5月に答志島に民間のデイサービスセンターが開所となったが、菅島・坂手島には整備されておらず、本土等のデイサービスセンターを利用している状況である。 今後は、地域福祉力による地域福祉力による地域ケアのモデルとなるような新たな整備を進めることを課題としている。 |
鳥羽市議会・委員会室 |
鳥羽市の離島 |
鳥羽市の離島に゛おける医療 4つの有人島すべてに診療所を設けて常勤の医師を確保している。 医師や看護師の確保については、三重県や自治医科大学等の協力を得て、確保に努めている。 現在の医療体制は、救急患者を島の漁船等で本土に搬送し、救急車で第2次医療機関に収容しており、漁船等の船舶を借り上げた場合は、その漁船使用者に対して搬送費を助成している。 平成5年6月から昼間の救急患者については三重県の防災ヘリコプターによる搬送が可能となっているが、着陸地点の確保等の課題も残されている。 |
鳥羽市役所のラセン階段 |
ラセン階段の上部から下を撮影 |
ラセン階段上部の展望台から 鳥羽市の離島が見える。 |
灯台をイメージしたラセン階段 老朽化が進み、上部は本年度解体されるという。 |
坂手島 鳥羽市の有人島4つのうちの1つの島 トイレはほとんど合併浄化槽が完備されている。 島民は約620人。 |
坂手島・案内図 鳥羽市議会事務局の次長と坂手島在住の 鳥羽市議会議員・寺下氏にご案内戴く。 丁重なる対応に恐縮の連続。 |
坂手島の道路 島には自動車は全く見当たらない。 |
ゴミ収集センター 港の近くのゴミ収集場に島民がゴミを持ち込む。 |
坂手島診療所 常勤医師1名と看護師が2名いる。 |
坂手島診療所内部 常勤の医師に離島の医療について伺う。 |
備品保管庫 備品保管庫には鍵がかかっていない。 緊急時にはいつでも誰でも使える。 |
備品保管庫内部 発電機等は、1ヶ月に一度点検している。 緊急時の対応は万全である。 |
鳥羽市・坂手島出張所 出張所の前にある消防ホース庫は、 プラスチック製で錆びる事はない。 |
坂手島・公民館 公民館の上を登ると小学校がある。 中学校は本土へ通っている。 |
坂手島老人憩いの家 地域老人が集う場所である。 |
坂手島の江戸川乱歩・妻の生家 1階は酒屋さん。 |