地方自治経営学会 総社地区研修大会
地方分権時代「創意とアイデアで競う自治体」

2004.11.12




まちづくり先進事例報告と討論 第1部

 
総社市民会館・玄関

 太田市長 清水聖義 元市議会・県議会議員

英語教育特区
 ぐんま国際アカデミー設立に向けて準備中である。
英語「を」学ぶのではなく、英語「で」学ぶそして道具としての英語で学び、少人数学級をベースに習得度に応じたクラス編成を予定している。

太陽光発電
 NEDOが行う集中連係型太陽光発電システム実証研究地に全国で唯一選定された。
 平成14年度から平成18年度の5年間で約90億円の予算。研究戸数は600戸で3kw〜5kwの屋根置き型タイプで研究終了後には継続使用を希望する場合は無償譲渡の予定である。

 太田市においては、ISOの取得が目に見えない部分で効果があるようだ。市町村合併で余剰の職員は積極的に小中学校の部活動の指導者として活躍の場を考えている。

 
志木市長 穂坂邦夫  公務員から市議会議員そして市長に

正規職員10分の1(50人)を目標に・・・市民による有償の行政パートナーを活用
 20年後を目標に正規職員を減らし、市民による有償の「行政パートナー」を採用、そして今後20年間で職員を約半分に削減することにより、人件費を約67億円削減する。

第2の市役所を創設し、行政にライバルをつくる
 市民がオーナー・市長がシティマネージャーと位置づけ持続可能な「21世紀型村落共同体」と「地方の自立」を目指して第2の市役所(市民委員会)を設置する。

25人程度学級をはじめ大胆にライバルをつくる

 常識でない様々な施策を実行して、他の自治体にはない独自のアイデアで地方から国を変えるという力強い市長の発言であった。この穂坂市長のアイデアは全国的にも有名であるがやはり生の声は説得力を感じる。


茅野市長 矢崎和広   青年会議所出身

パートナーシップのまちづくり・・・市民主導行政支援・・・福祉・環境・教育

自主性の尊重・・・市民等のそれぞれの自主性に基づき行う。
市民等と市の信頼関係・・・市民等と市が対等・協力の立場において、お互いの信頼関係に基づき行う。
情報の共有・・・必要な情報をお互いに共有する。
市民等の権利・・・市民等は、パートナーシップのまちづくりの企画、立案の段階から参画する権利を有する。
市民等の役割・・・市民等は、自らパートナーシップのまちづくりに関する市民等の役割を果たすよう努める。





まちづくり先進事例報告と討論 第2部

 
宗像市長 原田慎太郎

行革日本一・民間委託・アウトソーシング

 市民と共に積極的な行財政改革を推進している。
 民間委託・OA化・職員数の削減による行財政改革、市民・コミュニティによる協働のまちづくり等で行政のスリム化をはかっている。
 職員一人当たりの人口は255人と職員の少なさは全国のトップクラスである。
 市町村合併は行財政改革の最も有効な手段・手法と考え、平成15年4月に玄海町と合併し、平成17年3月には大島村とも合併予定である。今後も市町村合併には積極的に取り組む考え方である。
 行政主導ではなく市民主体のまちづくりの転換が必要であり、それが本来の住民自治と行政のスリム化、そして小さな市役所の実現につながる。


総社市民会館

奈良市 NPO法人・奈良燈花会(とうかえ)の会会長 朝廣佳子


市民がつくった奈良の夏の新しい風物詩「燈花会」・・・・・国土庁長官賞に輝く

 毎年8月上旬の10日間(今年は11日間・70万人の人出)に、奈良公園を周辺の夜に約6000本のろうそくを灯す祭りが、奈良燈花会である。
 以前の奈良祭りを見直して、98年から実施している。奈良が持つ荘厳な雰囲気とマッチし、幽玄の世界として毎年観光客を集め、現在は奈良の夏の風物詩となった。
 この事業を主催・運営するのはすべて市民である。立ち上げは奈良青年会議所・奈良商工会議所青年部・奈良県経営者協会青年経営者部会の3つの団体でスタートした。
 2年目からは、任意団体「なら燈花会の会」を設立し、今年NPO法人格を取得した。
 会期中は当日サポーターとする市民ボランティア延べ2500人が運営を行う。

 

兵庫県八千代町産業課 主幹 渡辺啓三

クライガルデン(滞在型市民農園)で新しいふるさとづくり

 「都市と農村の交流」を平成2年に宣言し、町内周遊の農林業体験や自然学習の場を提供している。
 こうして都市住民に癒しの場を提供し、すでに50組から150組が申し込みして待機しているという。
 これからの時代は、都市住民が交流とアグリライフを通して、農村に移り住むことが求められる。豊かな人材誘致や新しいふるさとづくり、活気あふれる農村社会の形成、都市と農村の共生につなげなければならない。