「エコスクール及び環境学習について」

2004.10.12

三重県川越町

笠岡市・矢掛町中学校組合議会行政視察


「適応指導教室事業及び人権教育について」

2004.10.13

三重県四日市市

笠岡市・矢掛町中学校組合議会行政視察




エコスクール及び環境学習について


川越町役場

三重県川越町

 三重県川越町市は、三重県の北部に位置し、北は桑名市、南は四日市市、西は朝日町に接し、東は伊勢湾に臨んだ標高0〜5mの平坦な地である。
 伊勢湾台風を機に造成された170万kuの埋立地には、北勢沿岸流域下水道北部浄化センターや中部電力川越発電所が立地している。また内陸部の工業団地の全てにも企業が進出している。
 8.71kuというコンパクトな町の特性を生かし、町総合センターを拠点に保健・福祉・医療サービス充実と、教育・文化の振興に意欲的に取り組んでいる。
 中部電力の火力発電所からの税収により、平成2年度より普通交付税不交付団体で、下水道普及率は99.8%というから驚いた。
 面積は8.71ku・人口は約12,300人である。
 

町立川越北小学校

 川越町には、川越北小学校・川越南小学校という2つの小学校と川越中学校が1つある。
 2つの小学校のうち川越北小学校の普通教室の校舎は、自然・エネルギー問題・リサイクル等を視野に入れた「エコスクール」として平成13年3月に完成した。
 完成した新校舎は、リサイクル建築素材を活用、太陽光発電と雨水貯水設備を備え、採光や通風に配慮し、ワークスペース等の多目的な広い空間を設けたりと充実した学習環境になっている。.
 そしてエコスクールを生かした学習を推進し、文部科学省のパイロットモデル事業に指定されている。
 職員数27名、児童数345名、学級数は14である。


町立川越北小学校・中央が「風の塔」

せせらぎ水路

ソーラー外灯

太陽光集光装置からの自然の光

氷蓄熱式冷暖房・エコアイス装置

ペットボトル再生添え木

太陽光発電・雨水利用の表示板

机も間伐材を利用

再生木を利用

ペットボトル再生のカーテン

珪藻土の壁

ひまわりの種を使用した掲示板

通風と採光に考慮

トイレもバリアフリー

優しいカーブの階段

「風の塔」・内側

エレベーター

廊下と教室の間の吹き抜けスペース

バルコニー

ウッドデッキ

 写真を見て戴ければおわかりのように、いたるところに環境に配慮している。リサイクル品を多用し、シックハウス対策も取られている。
 トイレの水洗も雨水を貯蔵したものを使用している。また電気製品や便器、手洗い等も省資源機器を使用している。
 こうした恵まれた環境の中で、児童はとても明るく元気だっと感じた。
 校長のお話でも、不登校はいないし、いじめ等の問題も発生していないという。
 木の暖かいぬくもりと、明るい教室で、環境教育も当然先進的な取り組みをしている。
 うらやましい限りの小学校であった。
 ただ、お金をそんなにかけなくても、ちょとしたアイデアで、環境に配慮した手作りの学校もできないだろうか。




適応指導教室事業及び人権教育について


四日市市役所からの市街地

三重県四日市市

 四日市市は江戸時代には宿場町として交通の要衝であった。
 昭和30年代には、特定重要港湾である四日市港を背景に日本初の石油化学コンビナートが形成され、工業都市として飛躍した。その過程で発生した産業公害も現在ではほとんど解決している。
 三重県下最大の都市・国際港湾都市として、また公害防止技術を各国に伝えて世界的な環境問題に貢献する都市として発展し、平成9年の市政施行100周年を契機に新しい街づくりを展開している。
 人口は約289,000人、面積は約197ku。


適応指導教室事業


 不登校児童生徒の増加は全国的な問題である。
 四日市市では、不登校児童生徒と年齢的に近い大学生に友達・お姉さん役・お兄さん役として、閉じこもり児童生徒の話し相手、遊び相手になってもらう「ふれあいフレンド」事業を実施している。
 原則として、周1回、半日程度で教育センターふれあい教室か、家庭訪問で、不登校児童の自立心を育て、再登校へのエネルギーを蓄えさせている。
 公募した大学生は、面接を行い教育センターで審査後に適当と認められた者で、年度内は登録されている。
 活動1回について、交通費を含めて3000円が支給される。


四日市市役所

四日市市議会・会議室

 不登校児童生徒支援ボランティア

 四日市市には小学校が39校、中学校21校で、児童生徒数は約26,000名である。
 そのうち30日以上の不登校は平成15年度においては、小学校50名、中学校274名、合計324名である。
 平成9年度が234名、平成10年度が338名と大幅に増加したため、不登校児童への支援事業の1つとして、不登校児童生徒ボランティア事業(ふれあいフレンド事業)を平成11年度からスタートした。
 平成16年度は学生ボランティア謝金が3,000円×300回、事前研修会講師謝金等で1,035,000円となっている。
 この事業は教育センターが総括し、2箇所のふれあい教室に9名の指導員が配置されている。
 

成果と課題

 児童生徒達は、自分の生活空間を広げ、ゆったりと楽しく過ごす時間をもつことができて適応指導教室に通級ができたり、友達をさらに求め行動し始める事例が見られたという。
 「ふれあいフレンド」は派遣依頼のあった児童生徒と信頼関係を作り、話し相手・遊び相手として交流を深めるケースが多いという。
 もっとこの事業をPRし、さらに児童生徒の日常的な活動への支援などに生かしていく努力をされている。
 閉じこもりの不登校生徒がいても、保護者や本人が希望しなかったり、条件が整わなかったりする場合も多く派遣件数が少ないという。
 ふれあいフレンドは学生のため、学業が忙しく平日の活動日が確保しにくいという課題があるという。
 

四日市市人権学習センター

四日市市人権学習センター

人権教育センター


 
四日市市人権尊重都市宣言及び「四日市部落差別をはじめとするあらゆる差別を無くすことを目指す条例」の趣旨にそって、部落差別をはじめとする差別をなくしていくため、人権尊重の思想を広く市民に普及し、差別と偏見にとらわれることのない市民の幸福を追求する人権文化の推進を図るため、四日市市人権センターに市民の学習の場として「人権学習センター」を設置した。