「行政評価システムについて」 「国立公園の取り組みについて」 「リバーサイド整備事業について」 2004.08.19 釧路市 誠信クラブ行政視察 |
「新エネルギーの推進について」 「中心市街地の活性化について」 「出前講座について」 2004.08.20 北見市 誠信クラブ行政視察 |
釧路市中心部 |
北海道釧路市 釧路市は北海道東部に位置し、東西32.152Km、南北15.893Km、 面積は約221.56ku・人口は約189,000人である。 市街地の南側は太平洋に面し、東部は釧路段丘と呼ばれる高台を形成している。 都心部には海跡湖である春採湖が住宅街に囲まれて横たわっている。 釧路市の中心部に旧釧路川と釧路川が流れ、背後には国内でも最大規模の面積を誇る自然の宝庫、釧路湿原国立公園を擁している。 恵まれた港湾機能と豊富な資源活用した水産・石炭・紙パルプの三大基幹産業を中止に東北海道の拠点都市として発展を続けている。 |
地域の活性化と国際化 ソフト面重視の施策を推進し、昭和61年に「潤いのあるまちづくり」として自治大臣表彰を受賞した。 釧路湿原の国立公園指定、釧路公立大学の開学、ウォーターフロント開発としてのFW計画の推進などビッグプロジェクトを実現している。 更には、ラムサール条約締約国会議の開催を契機にオーストラリアのクーラガング湿地との姉妹湿地の提携を進めるなど、地域の活性化と国際化を図っている。 財政的には大変厳しい状態で、財政再建団体に陥るのではという危機感をもって、行政評価を行っている。 |
釧路市役所 |
釧路市議会・委員会室 |
ラ・釧(せん)評価システム ラ・釧(せん)評価システムは、釧路市の行政評価システムである。 市の仕事の目的や必要性などをわかりやすく示し、効果・成果や効率性などを検証・評価し、評価結果を公表すると共に、今後の行政運営に反映させている。 計画・立案→実施→評価のマネジメントサイクルを使用して、らせんのように市の仕事をレベルアップさせるシステムを構築している。 釧路市が目指す都市像をいかに近づけるかという目標を持ちながら、市民が親しみを感じるような評価システムにしようという事で、「ラ・釧(せん)評価システム」と名づけている。 行政評価はもともと三重県がはじめたものが、釧路市では平成12年度からスタートした。 平成12年度に庁内プロジェクトチームによる行政評価導入に向けた検討を実施、事務局は総務部行政総合調整室が担当した。 そして平成13年度に企画財政部企画課内に2名の専任職員を配置。1係1件、全庁で149件の事務事業評価の試行を実施した。 平成14年度には、専任職員を1名増員し、全庁、全事務事業を対象とした事務事業評価の本格実施を行い、全事務事業約830件のうち、約半分の415件を評価した。 平成15年度は、14年度未実施分を含む全継続事業784件の事務事業評価を実施した。 平成16年度は、15年度の継続事務事業800件について事務事業評価を実施する予定である。 平成15年度の効果額は2700万円という。 ラ・釧(せん)評価システムの目標と構成 @ 成果を重視した政策を推進 A 市職員の意識改革、政策形成能力の向上 B 行政の透明性向上と市民への説明責任確保 政策・・・行政使命を果たすための基本方向 施策・・・施策を実現するための方策 事務事業・・・施策を推進するための具体的な活動 1次評価・・・評価対象の事務事業の担当職員が自ら評価 2次評価・・・助役を座長とする職員の評価チームが1次評価の後に評価 |
釧路湿原 釧路市湿原展望台から望む 釧路市湿原展望台 |
釧路湿原
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釧路湿原の面積
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釧路市湿原展望台・内部 |
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釧路湿原で学ぶ 新しい修学旅行のための手引き 笠岡市においても瀬戸内海国立公園内の白石島において修学旅行を誘致しているが、28番目の国立公園である釧路湿原も修学旅行のための手引きを作成して誘致を行なっている。 手引きには、冒頭に釧路市長自らのお願いの文章を掲載している。 釧路湿原の環境学習はセットメニューではなく、利用者と共に作り上げていくオレジナルメニューこそが魅力の本質と記している。 甲子園球場が4000個以上という広大な釧路湿原において、様々な生物・植物にふれあいながら自然再生の必要性を学ぶ事ができる。 今後はこうした体験学習的な修学旅行という流れになると予測される。 笠岡市の瀬戸内海国立公園も今以上に体験学習の場としての有効な活用を模索する必要性を改めて感じた。 |
保護に関する基本方針(概要) 釧路湿原の、他では見られない優れた景観と豊かな自然性を厳正に保護することを主眼としている。 塘路湖などの湖沼は、湿原景観に変化を添える要素であり、適正な利用の観点からも重要であることから、適切に保護する。 周辺をとりまく丘陵地は、湿原との一体的な景観、集水域を含めた湿原生態系の保護、展望利用の確保などの観点から適切に保護する。 釧路湿原の自然のメカニズムの解明は十分ではなく、今後とも広範な調査研究の必要性が高い。また、湿原の集水域は公園区域を越えて分布しているため、自然公園法以外の各種制度との連携、国、地方公共団体、関係団体などの協力が必要不可欠である。 |
リバーサイド整備事業 |
釧路市のシンボル 釧路市のシンボルである弊舞橋を起点とする両岸の都市空間を整備し、釧路川を行き交う船や、網を干す漁業活動の光景を都市空間に取りこみ、都市部との回遊性、背後地との一体性・連続性を図り、親水性豊かな河川空間を創出する事業として、リパーサイド整備推進を平成11年度から取り組んでいる。 釧路川全域に渡る自然・歴史・文化ゾーンを結ぶ新たな文化軸となり、産業との共存と多様な機能が展開される賑わいのある河川空間を生み出して、街と川辺への結束点として、各橋詰に広場空間を設けて、人の交流を創出している。 |
今後の課題 河川改修事業との一体整備により、安全で健康的な都市環境整備の推進と、漁港機能を共存し、個性的で潤いのある、親水性豊かな河川空間を創出したが、約22haにも及ぶ膨大な河川緑地施設の維持管理が最大の課題となっている。 現在、北海道・釧路市・市民公募による懇話会等において今後の取り組みを協議中である。 |
リバーサイド整備事業 |
北見市駅前 |
北海道北見市 北見市は、北海道北東部オホーツク海沿岸地域の北見盆地の中央に位置し、東西25.9km南北32.5qで、面積は421ku。 盆地にあるため、年間を通して寒暖の差が大きく、1〜2月には放射冷却によって最低気温が零下22〜3度まで冷え込み、7〜8月には湿気も多く、最高気温が31度前後まで上がる。 古くは世界の7割の生産量を誇ったハッカで栄え、現在は基幹産業の農業を中心に工業、商業とも調和のとれたまちとして発展を続けている。 市内に3つの大学を擁する研究学園都市として、更には夏場のラグビーを中心としたスポーツ合宿基地として、また日照率が高い特性を生かしたソーラーエネルギーの利活用を推進している。 人口は約110,9000人。 |
北見市新エネルギービジョン 北見市は、日本有数を誇る高い日照率という地域特性を生かした様々な取り組みを産学官一体となって進められている。 こうした背景の中、持続的発展が可能な循環型社会を構築するため、有限なエネルギーの活用と環境への負荷の少ない新しいエネルギー資源の開発導入に積極的に取り組むため、地域特性に適合した新エネルギー導入の指針とすべき「北見市新エネルギービジョン」を平成14年2月に策定した。 北見市では、このビジョンをもとに市民・事業者・行政がそれぞれの役割を分担し、協働して新エネルギーの導入推進を進めている。 |
北見市役所 |
北見市議会・応接室 |
住宅太陽光発電システム導入費補助制度 北見市では、平成14年度から住宅用太陽光発電システムを設置する者を対象にその資金の一部を支援する補助制度を設けた。 北見市に自ら居住する住宅に太陽光発電システムを設置する者、又は建売住宅供給者等から自ら居住するために太陽光発電システム付の住宅(新築のものに限る)を購入する者に対して別に定める用件を満たすことを前提に、予算の範囲内において補助金を交付している。 平成16年度の補助額は、180,000円を限度に発電量1キロワットあたり60,000円である。 この補助制度により平成14年度・31件、平成15年度・24件、平成16年度・33件となっている。 財源は北海道1/2、北見市1/2。 補助制度を開始してからの設置数は格段に増えて、人口700人に対して1台で全国平均を大きく上回っている。 |
北見市省エネルギー設備普及促進融資制度 北見市では、ソーラーシステム又は太陽光発電システムを設置する個人及び法人等に対しての貸付制度も設けている。 ソーラーシステムは200万円以内(融資期間は6年以内、うち据置期間1年間以内)、太陽光発電システムは300万円以内(融資期間は10年以内、うち据置期間1年間以内)である。 融資利率は変動だが、2003年2月時点では年1.8%である。 |
北見駅・南北横断通路 中央プロムナード「みんとロード」 |
中心市街地活性化推進室 自動車社会の進展と流通社会の変化にともなう郊外大型店の進出など、中心部の居住人口の減少、中心市街地の衰退・空洞化は日本の地方都市で深刻な問題となってきている。 国もこの問題に対処すべく平成10年に「中心市街地活性化法」を施行し、地域の取り組みに対しいろいろな支援措置を行っているところである。 北見市においては平成12年3月に「北見市中心市街地活性化基本計画」を策定し、計画に基づいた中心市街地活性化の各事業を推進している。 そして平成12年10月に中心市街地活性化推進室を設置し、全体計画の調整や事業推進のための調整を行なっている。 |
北見市中心市街地活性化基本計画 理念・・・「ソーラー・エコシティ」 目標・・・「出会い・発見・にぎわいの活力あふれる交流ゾーンの創造」 位置・区域・・・JR北見駅周辺を中心とする117ha 問題・課題 *中心市街地の居住人口の減少 *商店街の空き地、空き店舗の増加 *行政施設、文化・教育機能の分散 *駐車場不足など交通環境の向上 *広場施設などうるおい空間の不足 *都市景観の向上 *環境に配慮した地域資源の活用 基本方針 *四季を通じて市民の豊かな生活を実現する生活拠点の形成 *オホーツク圏の拠点都市機能をさらに高める機能の導入 *地域経済の活性化、発展を高める機能の充実 *省資源・環境共生まちづくりの先導的展開 |
北見市中心市街地 |
平成15年度の主な取り組み ・・・市街地の整備改善にかかるもの・・・ *道路・交通のバリアフリー化事業* 誰もが安心して歩ける環境づくりをめざし、北見市交通バリアフリー基本構想をまとめる。 *国道39号電線共同溝事業実施調整* 景観に配慮した電線類の地中化及びロードヒーティングや街路樹、照明の整備。 *まちづくり総合支援事業* 中央プロムナードや多目的広場の幅広い活用方法に向けて協議。 *まちなか居住推進の方針策定* 中心市街地の機能を生かした市民生活・交流の場づくりの一環として「まちなか居住」を推進。 |
平成15年度の主な取り組み ・・・商業などの活性化にかかるもの・・・ *商業タウンマネージメント推進事業 TMO(タウンマネージメント)構想推進事業者である商工会議所と、商業タウンマネージメント推進事業の企画、内容について一体的な推進を図る。 ・・・商店街活性化推進事業・・・ 商工会議所、商店街振興組合連合会などの関係機関、団体と商店街などの活性化に一体的推進を図る。 |
北見市議会・応接室 |
出前講座「ミント宅配便」 北見市において、市民の市政に対する理解を深め、意識の啓発を図り生涯学習を推進するため、出前講座を平成12年度から行なっている。 これは、市民団体が主催する集会等に市民ボランティア及び市職員を講師として派遣し、市政の説明、専門知識を生かした講話・実習及び自ら培った特技・経験を生かす場を設けている。 この出前講座は、市内在住で概ね10人以上であれば申し込みが可能である。 午前9時から午後21時までの原則2時間以内で、受講料は無料、市民ボランティアの講師については送迎を原則としている。 開催14日前までに、担当の教育委員会へ申し込むが、政治・宗教・営利目的の場合は派遣しない事としている。 |
実施状況 平成12年度 66講座・129件・6,064人 平成13年度 73講座・115件・5,466人 平成14年度 101講座(行政編77・市民編24) 144件・5,207人 平成15年度 105講座(行政編76・市民編29) 147件・5,019人 課題 申し込みメニューの片寄りが問題となっている。 市民ボランティア講師の発掘にも苦労している。 市民ボランテイアが無償という事も今後考えていく必要がある。 |