金沢市教育委員会

「学校2学期制の導入について」



2003.10.20


岡山県笠岡市・矢掛町中学校組合議会





金沢市役所
 
 金沢市

 石川県の県庁所在地である金沢市は、北陸3県のほぼ中央部に位置した北陸の中枢都市である。
 明治4年の廃藩の頃は2万4744戸、人口12万3363人と記録され、東京・京都・大阪につぐ大都市であった。
 現在、金沢市は、小さくても世界の中で独特の輝きを持つ「世界都市金沢」の形成を目指し、北陸の学術・文化・経済の中心都市として発展を続けている。
 現在の人口は約44万人で、面積は約468kuである。
 平成8年に中核市に移行している。


学校2学期制

 学校週5日制実施並びに新学習指要領の完全実施に伴って、学校教育に大きな変化をもたらした。
 特色ある教育課程という事で、個に応じた教育・創造性を育む教育を模索する中で、学ぶ楽しさを実感できる授業の充実とゆとりある学習期間の設定を迫られるようになった。
 以上の理由から2学期制が全国的に注目されるようになってきた。
 この2学期制は、1つの学期の期間が長くなる中で、授業や学校行事の在り方などについて創意工夫しながら、授業時間の確保を図り、子供たちが確かな学力を身につけることができるようにしていくことを目指している。
 笠岡市においても平成15年度より2年間の期間を設定して、新吉中学校・笠岡東中学校が2学期制を試行している。笠岡市の2校の場合、学校側から試行したい旨を教育委員会に打診して行なっている。
 つまり金沢市のように教育委員会から募集したわけではない。
 

金沢市役所・エントランス
まるでホテルのロビーのようである。

金沢市議会・委員会室


試行している高岡中学校の様子のビデオ
金沢市で1番のマンモス中学校

金沢市における2学期制の導入について

 金沢市においては、平成13年度にモデル校を募集し、平成14年度に4校(2小学校・2中学校)で試行した。

 この試行校において、2学期制についての研究を推進し、学期の在り方や長期休業期間の見直しを行った。
 そして、学識経験者・民間経営者・保護者・学校評議員・教職員で調査研究委員会を設置し、平成16年度に金沢市内全ての小中学校完全実施に向けて課題等を検討した。

 そうしたモデル校及び調査研究委員会における研究経過は随時公開を行なった。

 平成15年度は、モデル校以外の12小学校、11中学校、計23校が2学期制の試行を行っている。
 またモデル校以外の小中学校の2学期制への参画のために、教育委員会管理規則改正と調査委員会からの提言をリーフレットにして配布を行なった。

 こうして平成16年度から、金沢市内全市の小中学校(58小学校・24中学校、82校)で2学期制を実施する準備を着々と進めている。

 

2学期制の目的

 2学期制は、各学校が「ゆとり」の中で「特色ある教育」を展開し、「生きる力」を育む事を目的としている。
 これからの学校教育は、基礎基本の確実な定着と個性を生かす教育とともに、自ら学び自ら考える力を育成する。また豊かな心とたくましい身体を育むといった「生きる力」を育むことを目指さなければならない。
 2学期制によって、授業や行事等の在り方を創意工夫して、子供たちが学習に対して主体的に取り組めるようにしなければならない。
 そして時間的・精神的なゆとりある教育活動を展開して、一人一人に応じた望ましい指導・支援が必要である。


 

2学期制の効果

 1つの学期の長期化で「ゆとり」の中での児童生徒への指導・支援が充実する。

@充実した教育活動の実践、また基礎基本の確実な定着を図ることが可能である。

A時間的な「ゆとり」をもって、連続性のある学習活動を展開できる。

B児童生徒個々の学習内容の理解や習熟度等、個々に応じた指導と評価の一体化を図ることができる。

C学校行事の柔軟な設定により、児童生徒の自主的・実践的な活動を図ることができる。


2学期制導入にあたっての課題

@学力の向上について・・・2学期制を生かした学習指導と評価の在り方について

A学校生活及び学校行事の見直しについて

B学期の区切り及び長期休業の活用と見直しについて

 金沢市の4つのモデル校においては、小中学校とも年間授業時数については、学習指導要領に定められた時数より約50時間多くとることができたという。
 各学校で通知表を工夫し、保護者への説明を丁寧に行なった。また懇談会の設定や、きめ細かい指導と評価の実践・ミニテスト・学習達成度連絡表・学習助言簿等で大きな成果と、保護者からの信頼を得たという。しかしこれらは教員に大きな負担となっているのは事実である。
 今後、テスト回数減少による学力低下の不安を解消する様々な問題の解決が必要である。

 学校生活や学校行事の見直しによって、7月・12月は落ち着いた環境で学習が進められた。
 7月にじっくりと生徒と向かえ合える余裕の中で夏季休業を迎えられた。
 その反面9月・10月の行事等を見直す必要がある。
 10月中旬の2日間の授業日を8月末に振り替えるという方法をとったが、8月中の授業は暑さに対する工夫が必要である。


 金沢市の石原多賀子教育長は、全国都市教育長協議会会長を務めているというが、2学期制についてのカリスマ的な強い思い入れがあったという。
 とにかく金沢市の教育に対しての積極的な取り組みは非常に先進的である。
 
 今後の街づくりの中で、素晴らしい教育環境を構築する事による、「住んでみたい街」を模索してみたらと感じた。


金沢子どもを育む行動計画
金沢子ども条例
金沢市21世紀学校教育ビジョン提言


金沢子ども条例

 金沢市では、平成14年1月1日に「子どもの幸せと健やかな成長を図るための社会の役割に関する条例」を施行している。
 第1章において、目的と基本理念を定めている。
 第2章において、子どもの育成に関する大人の責務という事で、家庭・地域・学校等・企業・市の責務を定めている。
 第3章においては、子どもの育成に関する基本的な施策を定めている。10月の第2日曜日からその直後の土曜日までの7日間を「金沢子ども週間」と定めている。
 これは、家庭・地域等における子どもとのふれあいを通して、大人が子どもに目を向け、共に話し合い、理解を深めるとともに、子どもの育成についての大人の役割の大切さを認識するという趣旨である。
 第4章において、子どもの育成についての推進体制を定めている。









石川県立歴史博物館

2003.10.20


 
 石川県立歴史博物館は、かつて旧陸軍兵器庫、戦後は金沢美術工芸大学に使用していた「本多の森公園」の赤煉瓦棟を利用した博物館である。
 第1棟は大正3年6月、第2棟は大正2年8月、第3棟は明治42年8月に竣工した建物である。
 いずれも煉瓦造、2階建てで、左右対称を基本としており、長さは約90メートルに及び、貴重な建物である。
 昭和56年8月歴史博物館として利用することに決定後、赤煉瓦棟の保存調査と並行しながら建設工事が進められた。
 3棟とも外観は創建時の姿を忠実に復元し、内部はそれぞれ異なった手法で構造補強を加え、そのうえ歴史博物館として再利用すると共に、活用にあたっては、建物の文化財としての価値と展示設備との調和をはかるなど、様々な工夫を凝らしている。
 復元再生された建物は平成2年9月11日付けで、重要文化財に指定された。



福井市立美術館

2003.10.21


 
 福井市美術館は、戦前から戦後にかけての動乱期をフランスで過ごした福井市ゆかりの彫刻家・高田博厚の作品を収蔵、展示している。幅広い文化人との交友を持つ高田を軸として、さまざまな分野の展覧会を企画し、優れた芸術作品を目にする機会を提供。また市民の制作活動の発表の場も設けている。さらに、鑑賞とともに創作も大切にしてアトリエを設け、つくることの楽しさを体験できる時をつくっている。
 
 当日は特別展として現代美術を展示しいたが、残念ながら私には理解しがたい。
 建物自体もガラス張りで現代美術の先端をいっているようだが、大変な建設費だったと思われる。
 金沢市においても、大規模な現代美術館を建設していたが、建設費・維持費を考えると、これからの財政の厳しい時代に自治体の大きな負担となると思われる。