場外車券売場 「サテライト津山」


2003.09.01

「玉野競輪場・場外車券売場の笠岡市の影響調査」

誠信クラブ・有志






サテライト津山

周辺は、ごく普通の商店街



サテライト津山の全景

かつて高島屋津山店があったビル
 
 サテライト津山 (玉野競輪場・場外車券売場)

 同僚の藤井義明議員と原田てつよ議員の3人で午前中にサテライト津山の視察、そして午後から津山市議会に伺った。

 サテライト津山では、玉野市競輪事業局の尾崎次長補佐から詳細な説明と施設を視察させて戴いた。

 サテライト津山は平成13年8月11日に津山にオープンした玉野競輪場の唯一の場外車券売場である。
 玉野競輪場の開催日(年間約70日)以外は、全国の競輪場 (玉野市競輪事業局でピックアップされたレース) の車券も購入できる。
 平成13年度は134日開設・1日平均441人で、1人あたりの車券売上額は約23,000円。
 平成14年度は221日開設・1日平均411人で、1人あたりの車券売上額は約29,000円。
 平成15年度は、250日の開催予定で年間32億円の車券売上額を見込んでいる。

 「サテライト津山」の建物は津山の地元百貨店「大手町デパート」の後、「高島屋津山店」が使用していた。
 「高島屋津山店」撤退後、数年間は空店舗であった。
 中心市街地の空店舗有効利用をビルオーナーが模索する中、玉野競輪場の場外車券売場という話になったようである。
 
 通常の賃貸借契約とは違って、売上げの一部が賃料に相当する。
 また売上げの1%が地元自治体に環境整備費交付金として入る。

 建物内部の設備関係は玉野市競輪事業局が行なった。サテライト津山の場合約5億円の投資という。

 玉野競輪場の始めての場外車券売場としてオープンしたわけだが、同じような施設を笠岡のシーサイドモールに計画という新聞報道が6月21日に掲載された。


サテライト津山の概要


 JR津山駅から徒歩7分の中心市街地に立地
 旧高島屋津山店のビルの1階から3階部分
 (B1と4Fの一部は空店舗)
 平成13年8月オープン

 1階 
エントランスホール・案内カウンター・飲食コーナー等
 2階
一般席(208席・発売10窓・払戻2窓)・売店・インフォメーションコーナー等
 3階
特別観覧席(54席・発売3窓・払戻3窓・入場料1000円)
一般席(56席・発売2窓・払戻2窓)等

駐車場
近隣に6箇所の専用・臨時駐車場 合計474台
 (専用駐車場は217台)

開館時間
10:30〜16:30 発走時間等で多少の前後有り


サテライト津山のエントランス

エントランスに入るとすぐにガードマンがいる
未成年者・学生はチェックされる

サテライト津山の1階部分

1階はうどん屋とエスカレーターがあるだけ


サテライト津山の印象

 地元百貨店から高島屋津山店が使用していたビルで天井も低く築年数は、かなり程度経過していると思われる。
 2階と3階が場外車券売場だが、2階はある程度の人がいるものの3階はそんなに多くの人がいるわけでもなかった。
 喫煙室も設けられていてパチンコ店のような煙もない。話し声もほとんどなく、思った以上に静かで野次や歓声は全くない。
 玉野競輪場(本場)は、予想屋がいたり歓声や野次もあるというが、場外車券売場は、ガードマンが静かに静かに見守っている中で紳士的に楽しんでいると感じられた。
 身なりもごく普通であり、高齢者が多いように感じられた。
 現在は100円から車券も買えるという事で1000円程度で一日楽しむ常連もいるという。
 競輪は複雑なシステムで、高齢者には「ボケ防止」にもつながるという。
 

サテライト津山のオープンまで


平成12年3月16日
玉野市より津山市へ協力申し入れ
平成12年5月22日
津山市議会全員協議会で報告
平成13年4月10日
設置者から中国経済産業局へ設置許可申請
平成13年4月24日
経済産業省 設置許可
平成13年5月1日
津山市産業委員会 請願不採択決議
平成13年5月9日
津山市議会臨時議会 請願不採択議決
平成13年5月14日
玉野市議会臨時議会 補正予算可決
平成13年8月6日
津山市から玉野市と設置者に対して要望書提出
平成13年8月11日
サテライト津山オープン


1階エレーベーター横の注意看板

エレベーター横でガードマンが入店者をチェック
ガードマンの元気の良い挨拶が印象的だった

3階の車券売場

ここにもガードマンがいる

サテライト津山の反対運動

反対署名・・・
3団体、31,460人・5,204人・14,468人

反対請願・・・12件

賛成請願・・・2件 (2商店街)

要望書等(反対)・・・16件

 反対運動の1つの団体である当時の連合PTA会長が、たまたま知人だったので問い合わせてみたが、心配された問題は現在のところほとんどないという事であった。
 そしてサテライト津山のオーブン後は、反対運動は自然消滅したという。


サテライト笠岡(?)のシュミレーション

 サテライト津山の場合、半径30Kmの成人人口が約11万人。笠岡の場合は、西は尾道・三原市の一部、東は倉敷市・総社市、北は高梁市の南部となり約40万人の成人人口となる。
 計算上は、津山市の4倍という事だが、シュミレーションでは津山市の1.5倍の1日あたり600人の来場者予測で年間48億円程度の車券売上額を見込んでいるようだ。
 売上げの1%が地元自治体、つまり笠岡市に環境整備費交付金として入るという。
 48億円の年間売上の場合、約4800万円が笠岡市の収入となる。
 
 笠岡の場合、笠岡シーサイドモールの2階のうち約半分(約1000坪)を使用する計画である。
 2階部分は場外車券売場とショッピングモールを完全に分断するという。入口は1階の外部階段とエスカレーターを考えているようだ。

 

モニター

いたるところにモニターが用意してある
モニターでレースの展開を見守るが、
野次も歓声も全く無いのに驚いた

サテライト津山の駐車場
駐車場にはすべてガードマンが張り付いている
以前は違法駐車が見受けられたが、サテライト津山のオープン以降は、逆に減ったという。

笠岡市の今後のスケジュール (構想)

(玉野市議会 産業委員会 資料より)

H15年度

交通・文教等影響調査(設置者・日本自転車振興会)
地区同意が必要な範囲の決定(経済産業省)
地元説明(設置者) → 地区同意
施設設計(設置者)及び投票システムの検討(玉野市)
設置申請(設置者) → 認可(経済産業大臣) 

平成16年度

施設工事(設置者)及び投票システムの決定・設置(玉野市)
従業員の雇用及び研修(玉野市)
オープン

設置者 = 笠岡マルセン開発株式会社


津山市議会

 午後から津山市議会に伺い、サテライト津山の反対運動を展開している当時、産業経済部の政策審議室で現在は環境生活部長の池田氏から経過の説明を受けた。
 池田氏は近隣の場外車券売場を何件も視察したという。視察の結果、心配されるような問題は発生しないだろうという感触を得たという。
 ただ中心市街地の既存のビルという事例が少なく、そういう部分での懸念があったようである。
 津山の場合、小・中・高等学校の通学路に立地という事と、駐車場の問題、交通渋滞の問題が争点になったと思われる。
 オープンしてから津山で問題がなかったとしても、笠岡に関しては交通渋滞や駐車場の問題が気になるのは事実である。
 経済産業省の指導が大変厳しいため、いろいろ心配される問題は徹底的にクリアしなければならないようである。
 これから心配される問題をきちんと整理して、設置者並びに玉野市に対してきっちりと要望しなくてはならない。
 今後の動きを注視したい。


津山市役所
・・・付録・・・

・・・視察を終えて・・・



帰り道の集中豪雨

30分程度の集中豪雨で道路は川のように。
こんな凄い雷雨は始めての経験であった。

 視察を終えて、同僚議員には申し訳なかったのだが津山駅までお送りし、母方の祖父・祖母のお墓参りに行った。
 津山は子供の頃、良く遊びに来ていた街で私にとって第2の故郷かもしれない。
 祖父・祖母の住んでいた家は、大阪の叔父が定年退職後津山に帰って新築していた。
 かつての面影がなく大変残念に思ったが、叔父・叔母に歓待され昔話をいろいろした。
 サテライト津山の反対運動の話もしたが、署名運動等で大変だったという。
 しかしオープンしてからは心配されていた事も全くないという事である。

 津山の叔父叔母の家を出ての帰り道、しばらくすれば空が真っ暗になり、ものすごい雷の連続。
 生まれて初めて目の前の電柱に雷が落ちるのを見た。
 とにかく凄い迫力である。
 爆音とともに閃光、そして電柱の電線がバラバラと落下。
 道路は川のようになり、立ち往生している車もある。まるで映画を見ているようだった。
 30分程度の集中豪雨も中国道の院庄ICに入った頃にはおさまり何とか無事帰ることができた。