誠信クラブ

行政視察

2003.07.02〜04

北海道・三笠市 

「プラスチック製容器包装廃棄物の分別収集と再商品化事業について」
「プラスチック油化施設 ・ 鞄ケ央油化センター」


北海道・丸瀬布町 

「自治体運営の博物館事業について」
「昆虫生態館」






北海道・三笠市


「プラスチック製容器包装廃棄物の分別収集と再商品化事業について」

「プラスチック油化施設 ・ 鞄ケ央油化センター」



三笠市役所

北海道・三笠市

 三笠市は、北海道のほぼ中央部の石狩平野の東端に位置している。
 明治のはじめに良質の石炭が発見されて採炭が始まった。その石炭輸送のために北海道で最初の鉄道が明治15年に開通した。
 石炭産業の情勢悪化により、平成元年には全ての炭鉱が閉山した。
 その後、急速な人口流出が生じたが、観光開発等の取り組みと新たなエネルギーのまちとして再び脚光を浴びようとしている。
 面積は約303ku・人口は約13,200人。


三笠市のプラスチックの分別について

 三笠市においては、平成12年4月から、容器包装プラスチックとペットボトルの分別収集を開始した。
(平成4年度から、空き缶・空き瓶・紙類の資源回収を開始)
 各地域、月に2回、容器包装リサイクル法に基づくプラスチック製の容器包装を2槽式パッカー車で収集している。
 そしてリサイクルプラザで圧縮梱包処理を行い、(財)日本容器包装リサイクル協会と再商品化実施契約を行っている鞄ケ央油化センターが引き取りを行っている。

 三笠市の担当係長のお話で、大変興味深く感じた事がある。まずゴミを出さないことが一番で、リサイクルは大変な経費がかかる。リサイクルが環境にやさしいという考え方は間違いではないかというお話であった。


三笠市議会・会議室

道央油化センター

容器包装リサイクル法に伴う
「その他プラスチック製容器包装廃棄物」の
分別収集及び再商品化事業


 「その他プラスチック製容器包装廃棄物」の市町村の責務は、分別収集と中間処理(選別・圧縮・梱包)まてである。
 しかし空知産炭地域5市1町(夕張市・赤平市・芦別市・歌志内市・三笠市・上砂川町)においては、産業の再構築と広域的振興を目的として策定された「空知地域振興基本構想」に基づく広域プロジェクトに、「再商品化事業」が盛り込まれた。
 その一環として三笠市への立地が決定した。


プラスチック油化施設
株式会社 道央油化センター


 株式会社 道央油化センターは、平成10年4月に2億5000万円の出資により設立された。
 出資者は、地域振興整備公団と三笠市と潟Pー・エス・シー・エム ( 潟Nボタ・シナケン梶E潟gッキュウ・竃k陽・三友プラントサービス梶E早来工営梶@) である。三笠市の出資は200万円である。
 平成12年4月に操業を開始した。
 廃プラスチックの処理量は、年間約6500トン、生成油化製造能力は、年間約3600klである。
 概ね45〜55万人分の容器包装プラスチックを処理しているという。


鞄ケ央油化センター・会議室

鞄ケ央油化センター

油化システムの特徴


1.塩化ビニル等からの十分な脱塩素処理が可能
2.生成油は高品質
3.熱エネルギーが高効率で回収
4.安全性の高い施設
5.環境負荷が小さい施設

 現在、プラスチック再商品化事業として指定されているシステムは、油化・高炉還元・コークス化学原料化・材料リサイクル・ガス化溶融炉の5種類があるという。
 それぞれの利点を総合的に判断した施設が今後の主役になると思われる。





北海道・丸瀬布町


「自治体運営の博物館事業について」

「昆虫生態館」



丸瀬布町役場

北海道・丸瀬布町

 丸瀬布町は、オホーツク海の内陸部にあって、96%が山林原野で覆われている。
 林業が基幹産業てある。以前は金・銅の鉱山の進出もあり産業が繁栄していたが、鉱山の閉山と林業の不振等から急速な過疎化が進んでいる。
 枯渇する森林資源の有効利用を図り、ウッドクラフト製品の開発等、木材の二次・三次加工による商品化が進んでいる。
 また森林公園いこいの森を造成し、丸太運搬に使用したいた森林SLの運行や林間キャンプ場整備、昆虫館を中心とする自然体験施設の整備等、地場産業、社会教育と融合した観光開発に努めている。
 総面積、510.13kuで、人口は2,069人。

 

昆虫生態館

 1960年代ごろ、当時まだ未知であった地元の昆虫を地元定時制高校や小学校の先生などが中心になってチョウやガを中心に調査した結果、「オオイチモンジ」というチョウを中心に、珍しい昆虫が極めて多産することがわかり、一躍昆虫採集の有名ポイントとして、多くの採集者がやってくるようになった。
 昭和60年に、森林公園「いこいの森」に来る方々に、生き物とのふれあいができればという事で、離農した廃屋を利用して、地元昆虫同好会の手作りで「昆虫の家」か誕生した。
 運営から展示の作成、展示物の採集まですべてがボランティアで行われた。
 そして「昆虫の家」を受けて、平成9年に丸瀬布町教育委員会が「丸瀬布町昆虫生態館」を建設した。
 その後、平成11年には、チョウの飛ぶ温室「チョウの広場」が併設された。
 森林公園を走る、丸瀬布町で実際に走っていたSL
「雨宮21号」とならんで、「本物」が生きている丸瀬布町のシンボルとなっている。


丸瀬布町議会・会議室

枝松町長・井上教育長・織田生涯学習課長
城岡副議長・岩上議員・渡部議員・前川局長
と大勢の皆様に歓待戴き恐縮した。

昆虫生態館

自治体運営の博物館の課題

 これからは昆虫生態館のように体験型の施設が求められると感じた。「チョウの広場」では実際の生きたチョウが舞っていて、自然に極めて近い形でふれあう事ができる。
 笠岡市のカブトガニ博物館も、何か工夫ができないものかと感じている。
 カブトガニの飼育は難しいが、飼育の体験を通じて興味を増すような事も考えられないだろうか。

 昨今の厳しい財政事情の中で自治体の博物館事業は、今後の新たな展開は大変厳しいと思われる。
 それぞれ自治体の特徴を生かした専門性の高い施設として知恵を絞らなければならない。
 またリピーターのための企画を更新する必要があると思う。
 

昆虫生態館・学芸員から説明を聞く

昆虫生態館・蝶の広場

昆虫生態館・蝶の広場で舞う「蝶」

昆虫生態館・生態展示室

森林公園 「いこいの森」

森林公園 「いこいの森」

 森林公園「いこいの森」は森林鉄道蒸気機関車「雨宮21号」が走る総合的なアウトドアレクリエーション空間で、キャンプ・川での魚釣り等体験型の施設である。
 昭和3年に道内初の国産車として丸瀬布町に配車されたSLが雨宮21号である。山奥の国有林から丸太を搬出していた丸瀬布町の歴史的資産であり、日本で唯一動態保存されている森林鉄道蒸気機関車である。
 昭和36年の引退以来保存されていたものを修復し、公園内約2kmを走行している。
 この雨宮21号に引かれている客車は井笠鉄道で以前使用されていたものである。井笠鉄道から西武鉄道に売却されたものが現在は丸瀬布町で元気に走っている。
 カラーリングは以前の井笠鉄道のときと同じ色に復元されている。


森林公園 「いこいの森」 雨宮21号

雨宮21号の木造客車の説明文

旧井笠鉄道・客車の内部
高橋商工観光課長から説明を伺う。

旧井笠鉄道の復元された客車