誠信クラブ

行政視察

2003.04.16〜18

滋賀県・水口町
「24時間訪問介護事業について」 


愛知県・高浜市 
「宅老所について」
「いきいき広場について」
「行政改革について」




滋賀県・水口町

24時間訪問介護事業について


滋賀県水口町

 滋賀県水口町は、滋賀県南部で三重県との県境に接する町である。人口約3万7000人で、65歳以上人口が約6000人で、15.6%を占めている。また独居高齢者世帯は、484世帯で4.1%。高齢者世帯数は507世帯で4.3%。寝たきり老人数は99人で約1.7%。痴呆老人数は73人で、1.2%、介護保険の要介護老人出現率は11.0%となっている。(数字は、平成14年4月1日現在)
 平成16年10月1日に、周辺の5町(水口町・甲南町・甲賀町・土山町・信楽町)が新設合併(対等合併)して、92,484人の新しい市が誕生の予定である。
 


社会福祉法人 水口町社会福祉協議会
常務理事 堀井とよみ氏


 町ぐるみで「在宅ケア」を取り組みしているが、水口町社会福祉協議会・常務理事の堀井とよみ氏が、そのカリスマ的な存在として活躍している。
 堀井氏は昭和39年に水口町の保健婦としてスタートし、平成5年に水口町保健センター所長、平成7年に水口町立訪問看護ステーション所長、平成8年に水口町保健予防課長、平成11年より保健介護課課長、平成14年から水口町社会福祉協議会 常務理事として水口町の派遣職員として勤務している。




24時間訪問介護事業

 水口町の24時間在宅ケアは、平成7年から実施している。
 その特徴は、@365日 24時間体制 A巡回型訪問の導入 Bケアマネジメントによるサービス提供と利用者ごとのケアマネージャー制度の導入である。
 ホームヘルパーと訪問看護師の協働、医師との連携強化、ノーマライゼーション社会の実現、行政と住民の責任の明確化 (行政は責任あるシステム構築、住民は応益負担) という4点の明確な目標を設定している。
 また職種による役割分担も明確に示している。@医師・・・診断・治療 A訪問看護師・・・医療機関との連絡調整・訪問看護 Bホームヘルパー・・・訪問看護(身体介護と家事援助) C保健師(介護支援専門員)・・・ケアマネージメントとモニタリング
 24時間在宅ケアの成果として@在宅療養者の増加(施設入所者の減少) A重度障害老人の減少 B住民の介護意識の変化(自分たちだけで困らなくて良いという状況の理解) C住民による学習会 D予防活動への取り組み(住民主導の閉じこもり予防活動) 以上の5点がある。
 障害老人減少の要因として、行政側による@老人保健福祉計画の100%実施 A24時間在宅ケアシステムの整備 B専門的ケアの提供 C痴呆老人対策 D住民学習会の開催により、住民側は@在宅生活の継続 A介護者の生活の保証 B住民意識の変化 につながった。


ミニサークル活動


 水口町では町内29ヶ所でミニサークル活動を実施した。対象は閉じこもりがちな高齢者で、健康推進員・民生委員と地域のボランティアによって行っている。
 「スィトピー」という自主グループが、介護保険サービスだけでは、家族介護負担の大きい人、または多人数の場に出ることを拒否する重度痴呆高齢者に対して、住民自主活動を行っている。
 ミニサークル実施により以下のように地域の変化がおきた。
@区の施設のバリアフリー化
Aボランテイアとして参加する人の増加
B地区で経費を負担
C参加者が仲間を呼びかける
D地域住民から、実施の要望
E公民館周辺の整備
F敬老事業の毎年実施
G車椅子利用者の受け入れ態勢整備 (ノーノライゼーション思想の普及)
H高齢者のいる世帯員のミニサークルに対する理解促進
I自分の老後の問題として考える住民の出現
J保健師への信頼強化
K区の役員の関心の高まりと区内会議での紹介
L住民に、個別の問題だけでなく地域全体の問題として解決への動きが出現
M家族のミニサークル参加勧奨


水口町役場

水口町議会





愛知県・高浜市

宅老所について


高浜市役所

愛知県高浜市

 愛知県高浜市は、日本のほぼ中央にある愛知県三河平野の南西部に位置している。名古屋市から南西へ25kmのところにあって、東は安城市、西は衣浦港をへだてて半田市、
南は碧南市、北は刈谷市に接している。海岸線は延長5.4kmにおよび衣浦大橋によって知多半島と結ばれている。人口は約4万人。面積は13ku(東西、約4.2km 南北約5.5km)という集約されたコンパクトな市である。
 古くから窯業が盛んで、三州瓦は全国で約6割弱のシェアを占めている。近年は、豊田系輸送機器関連産業を中心に発展している。


宅老所について

 
高浜市の宅老所は、介護保険制度の対象とならない高齢者等の自立した生活を支援するために設置し、多くの高齢者等に外出の機会を提供し、痴呆予防・家での閉じこもりを防止しようという目的を掲げている。
 高浜市内には5箇所の宅老所がある。ほとんどの施設が、元の建物を改造して運営している。
@宅老所「じぃ&ばぁ」は、カウンターを備えた喫茶コーナーがあり、一般の方でも利用可能。また、施設内で食事も可。(元家具屋の倉庫を改造)
A宅老所「いっぷく」は、入浴と食事が可。
B宅老所「あっぽ」は、子育て支援参加の親子や、隣接する保育園の園児との世代を越えたふれあいができ、施設内で食事も可。(保育園の空き教室を改造)
C「こっこちゃん」は、施設を利用している子どもたちとの世代を越えたふれあいができる。施設内にあるカウンターでお茶と食事が可。(民家を改造)
D「悠々たかとり」は、施設を利用している子どもたちとの世代を越えたふれあいができる。施設内でお茶と食事が可。(元保育所を改造)

 また、「あかおにどん」を、平成14年10月にものづくり工房の宅老所としてオープン。運営は、地域のボランティアが中心となって行っている。
 福祉用具コーナーは、利用者がより使いやすくなるように、杖や車椅子、自助具などの簡単な改良と制作を行うことができる。
 かわらコーナーは、わらの素材を使って、ランプシェイド・生活陶器・園芸用品などの製作を行うことができる。
 自由工作コーナーは、自分の好きなものを自由に製作することができます。必要に応じてスタッフが指導にあたる。

 また高齢者同士の交流という事で、IT工房「クリック」においてパソコン教室も行っている。


高浜市議会

宅老所「悠々たかとり」


宅老所「悠々たかとり」に来られている老人


愛知県・高浜市

いきいき広場について


いきいき広場について

 「高浜市いきいき広場」は地域の活性化と市民の生活の質の向上をめざして平成8年に高浜市が設置したもので福祉、健康づくり、生涯学習といった、時代が求める分野において、それらを結びつけたサービスを提供し、新たなまちづくりに向けた事業展開をめざす新しい時代の施設である。
 この「高浜市いきいき広場」は高浜市と日本福祉大学が共同事業を進めるにあたり、高浜市から日本福祉大学が運営委託を受け社会福祉法人昭徳会の協力を得ながら運営に当たるという、新しい形の公私協力方式で事業を展開している。
  「高浜市いきいき広場」には総合窓口のほか、市民サービス窓口(福祉課・長寿課・市民課、社会福祉協議会)、介護・福祉機器ショールーム、マシンスタジオ、エアロビクススタジオなどがあり、福祉対応、健康づくり、生涯学習、まちづくり事業を進めている。近隣地域からの利用者も含め年間9万人を超える利用者があり、利用者の声を活かした運営を行っている。


駅前に立地する「いきいき広場」
この建物の2階部分
3階は日本福祉大学の専門学校
4階から上は、県営住宅


社会福祉協議会と長寿課が一緒のフロア


愛知県・高浜市

行政改革について


総合サービス株式会社

 
市民の余暇時間の増大に伴い、公共施設の週末利用や休日、夜間の利用が増大している。こうした施設管理業務等については、適正な管理監督のもとに全面委託方式を行っている。

 平成3年に高浜市施設管理協会を設立。平成7年に高浜市総合サービス株式会社を設立した。資本金は5000万円で全額、高浜市が出資している。役員は民間企業経営者・市民(元助役)・市職員(部長級)で全員無報酬である。


平成13年度決算総売上高 3億9,746万円
うち受託収入 3億2,823万円 物品収入 6,923万円
従業員 202名 (正規59名 臨時143名)







現在、全体で46の事業を行っている。
@公共施設管理サービス事業・・・市役所コントロール室管理事業 始め16事業
A医療事務サービス事業・・・レセプト点検サービス事業 始め2事業
B給食サービス事業・・・学校給食サービス事業 始め3事業
C用務員サービス事業・・・学校用務員サービス事業 始め2事業
D事務支援サービス事業・・・文書発送サービス事業 始め5事業
E窓口サービス事業・・・市民課窓口サービス事業 始め3事業
F水道事業サービス事業・・・水道メーター検針事業 始め2事業
G公用車運転サービス事業・・・市長車運転サービス事業 始め2事業
H交通・防犯サービス事業・・・交通安全推進事業 始め2事業
I清掃サービス事業・・・三高駅西再開発ビル清掃サービス事業 始め2事業
J物品販売サービス事業・・・飲料水自動販売機設置事業 始め7事業




愛知県・滑川市

焼き物散歩道


焼物散歩道

 
常滑市は、「やきもの散歩道」という歴史ある常滑焼きの窯元を散策できる街づくりを行っている。
 人が生活している街並みの細い路地・小径を歩くと、土管や焼酎瓶やいろいろな陶器が無造作に置いる。
 そして点々と民家を改造して、いろいろな陶芸家の作品を販売もしている。
 古い街並みを住人が守っている素朴な味わいを感じた。
 歴史を活かした素朴な街づくりという手法に、ただお金を突っ込んだ新しい街づくりとは違った温かみを感じる事ができた。
 笠岡市においても、地域の歴史と文化を活かしたアイデアで、住民と協働で街づくりができないだろうか。