第5回・笠岡市議会議員研修会 (意見交換会)

議員研修会・メモ

2002.11.18

「これからの地域医療について」 


江草安彦・市民病院事業管理者








 
 第5回・議員研修会として、江草安彦・市民病院事業管理者が講師の「これからの地域医療について」講演並びに意見交換会を開催した。
 90分程度の短い時間であったが、これからの地域医療についてのわかりやすいお話で大変有意義な研修会であったと思う。
 研修会開催中にメモをパソコンにとったので、以下に掲載したいと思う。
 あくまでメモなので、いくらか表現が違っているかと思うが、ご容赦戴ければ幸いである。





井笠地域の医療の現状

井笠圏域の医療圏は、飽和状態である。
どこかの病院を開院するならば、どこかの病院が閉鎖しなければならない状況である。
笠岡市民病院の265ベッドの有効な割合を考える必要がある。(療養型病床郡の割合)
しかし民間病院を圧迫するような形は望ましくない。
公的な病院として、たとえ赤字部門でもやらなければならない事がある。


小児医療  

毎年8000人の医師が誕生する中で小児科は250人程度である。
そういう中、岡山大学は比較的恵まれている。
だから優秀な小児科医師1名を笠岡市民病院に派遣して戴いている。
また2人目の優秀な医師も打診中である。
近い将来、笠岡市民病院の小児科を3人体制にして県内でも誇れるようににしたい。


救急医療

地域の公的病院として、救急医療の役割は高い。今後救急体制の確立をしたい
救急車に医師を乗せる案も考えてみたい。いわゆるドクター・カーである。
千葉県船橋市では実施しているが、県内ではまだドクター・ヘリしかない。
救急車の中で、診療できるという大きなメリットがあり、生存率の向上が期待できる。
現在、笠岡市民病院には脳神経外科がないので、内科の医師でなんとかできないか考えている。
笠岡市民病院を「岡山県西部医療センター」と改名して、グレードアップした病院になればと思っている。
現在、岡山大学からの優秀な医師派遣を内々にお願いしている。


医療と福祉の連携


長期の入院となると入院料の収入が減る。
医療福祉施設として流れを作っていく必要がある。
流れを有効にする事により、収支の向上が期待できる。
これからは、医療と福祉との連携が必要である。
市長に対して、福祉関係の行政職を病院の受付に張り付けて、病院から福祉施設への移動を相談するシステムを提言している。


地域完結型の医療

地域医療に工夫が必要である。
地域完結型の病院を目指す必要である。
MRIは1億円かかる。しかし投資効果があるのだろうか。
MRIは、第一病院に1台設置している。パソコンで転送して使用する事も考えられないか。
地域内で設備を互いに利用するシステムを確立すれば、投資を抑える事ができる。
MRIの導入も一度考え直す必要もあるのではないか。


政策医療

政策医療に忠実でなければならない。また経営健全化が必要である。
リストラ・賃金カットは考えていない。お互いが切磋琢磨して優秀な医療機関にして収支を改善したい。
原則忠実・応用自在 (朝令暮改ではなく臨機応変に最良の方策を検討する。)
意識改革が必要である。
患者の減(外来が特に減っている)の対応を考えなければならない。
現在、ご意見箱を設置して患者の生の声を聞いている。
医師がもっと勉強できる環境を整える必要がある。
学会にも積極的に参加して発表しなければならない。
また病院内の図書も充実しなければならない。

とにかく管理者になった以上、成果がでるように頑張りたい。