議員有志・行政視察

2011.01.27~28




京都府京丹後市

「中小企業支援制度について」



京都府京丹後市

 京丹後市は、京都府中郡峰山町・大宮町・竹野郡網野町・丹後町・弥栄町、熊野郡久美浜町の6つの町が平成16年4月1日に合併してできた市である。
 発足時の人口は約67,000人で、旧峰山町役場に市役所が置かれたほか、その他の5つの旧町役場は、それぞれ市役所庁舎となった。
 京丹後市は、京都府の最北部に位置しており、市域を北近畿タンゴ鉄道宮津線が走っている。
 市名「京丹後」を名乗る駅名はなく、存在するのは旧町名に基づく、峰山、網野、久美浜の各駅である。 京丹後市全てがかつての久美浜県の一部である。
 平成22年6月1日時点の人口は、61,484人、面積は501.84K㎡。


京丹後市役所

京丹後市役所・玄関入口

京丹後市中小企業緊急雇用安定助成金制度

 京丹後市中小企業緊急雇用安定助成金制度は、景気の変動などにより事業活動の縮小を余儀なくされた中小企業事業主が、雇用する労働者の就業維持のため国の制度を活用し、一時休業などとした場合に休業手当などの一部を助成する制度である。
 対象者は以下のすべてに該当する中小企業者。
 (1) 国の助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)の支給を受けた方。
 (2) 市内に事業所を有する中小企業者。
 (3) 市税等を滞納していない。
 助成金額は中小企業者の方に支給された国の助成金(教育訓練費は除く)の1/4以内である。


京丹後市商工業支援補助制度

以下の事業に対しての補助金交付制度だが、実施する内容が複数に該当する場合は、いずれか1つの事業にのみ申請を行うことができる。
 また、他の制度により補助金を受けている場合は、申請を行うことはできない。
 (1) 事業拡大等人材育成事業 
 事業拡大(新分野新進出)のため、市内の企業またはグループが、後継者及び従業員に技能習得をさせる事業。
 (2) 新商品・新製品開発事業
 オリジナルの新商品・新製品等を開発するため、年間1テーマに絞って市内の企業またはグループが開発を行う事業。規格・構造等全く新たな商品・製品の開発が対象。
 (3) 起業家支援事業
  現に事業を行っていない市民が、市内において起業(信用保証協会の保証対象となる業種の起業に限る)される事業。起業に伴う事業資金(原材料費や光熱水費などの運転資金は除く)が400万円以上で、そのうち300万円以上の借入金があることが必要。
 (4) 事業転換支援事業 
市内の小規模事業者(従業員5人以下)が、新分野への事業転換(信用保証協会の保証対象となる業種への完全転換に限る)をされる事業。事業転換に伴う資金総額が500万円以上で、そのうち300万円以上の借入金があることが必要。
 (5) 空き店舗対策事業
 市民が、市内既存商店街の空き店舗を利用して営業(信用保証協会の保証対象となる業種の営業に限る)を開始する事業。開店にあたり、店舗を購入または2年以上の賃貸借契約で確保することが必要。


京丹後市経営安定利子補給制度

 市内の商工業者等が、事業資金を借り入れた利子を支払った場合に、支払った利子の一部を予算の範囲内で補助する制度。 
 以下のすべてに該当する商工業者等が対象となる。
(1)  市内で事業を行い市内に住所を有する個人事業者または市内に所在地を有する法人事業者。
(2) 京都信用保証協会の保証対象業種を現に営んでいること。
(3)市税等の滞納がないこと

 以下の融資制度を利用して借入をされた際に支払いした利子
 (1)京都府中小企業融資制度
(2)京丹後市商工業振興融資制度 
(3) 政府系金融機関融資制度

 限度額は運転資金・設備資金  合計で1億1,000万円。

 補給率は、借入利率のうち2.5%以内。ただし、補給後の末端金利は1.5%以上となる。
 補給限度額は、1事業者あたり年100万円である











京丹後市議会・会議室



京丹後市商工業振興融資制度

 市内の商工業者等が経営資金が必要になったとき、この制度を利用して下記取扱金融機関から融資を受けることができる制度。(ただし、市・金融機関の審査結果や、信用保証協会の保証が受けられないことにより、融資が受けられない場合もある。)

 対象者は、以下のすべてに該当する商工業者等
(1) 市内で事業を行い市内に住所を有する個人事業者または市内に所在地を有する法人事業者。
 (2) 同一事業を6ヶ月以上営んでいること。
 (3)企業発展に真に熱意をもち、また経営内容が明らかであること。
(4)貸付金の返済が確実と見込まれること。
(5)京都信用保証協会の保証対象業種を営んでいること。

 取扱金融機関
(1)京都銀行 
(2)京都北都信用金庫
(3)但馬信用金庫 
(4)京都農業協同組合

 融資額は、1,000万円以内(ただし、この制度による融資の現残高を含む)

 融資期間は運転資金5年以内  設備資金7年以内

 融資利率は、年2.0%

 返済方法は、元金均等返済。金融機関との相談により最大6ヶ月の元金返済据置可。


京丹後市信用保証料補助制度


 市内の中小企業者が、経営安定のため事業資金を京都信用保証協会の保証を得て借り入れた場合に、支払った保証料の一部を予算の範囲内で補助する制度。

 対象者は、以下のすべてに該当する中小企業者。
 (1)市内で事業を行い、かつ市内に住所を有する個人事業者または市内に所在地を有する法人事業者。
 (2)現に事業を営んでいること。
 (3)貸付金の返済が確実と見込まれること。
 (4)市税・料金等の滞納がないこと。

 対象となる保障制度
(1)京都府中小企業融資制度 
(2)京丹後市商工業振興融資制度

 借入保証額に応じて補助金額を定めている。ただし、予算との関係から、これを下回ったり交付されない場合もある。

 補助金額の上限は、事業者1年度あたり40万円。




京丹後市積極雇用実施事業所奨励金制度


 職業経験、技能、知識等から就職が困難な方の就職を促進することを目的として、国の「試行(トライアル)雇用」制度を活用してこれらの方を積極的に雇用し、同期間終了時にその方を常用雇用に移行させ、引き続き3か月以上雇用したした市内の事業者に対し、予算の範囲内で奨励金を交付する制度。

 対象者は、以下のすべてに該当する方。
(1) 職業経験・技能・知識などから就職が困難な求職者の方を、国の「試行(トライアル)雇用制度」を活用して雇用され、「試行雇用奨励金」の交付決定を受けること。(ただし、平成21年4月1日~12月31日の間に、試行(トライアル)雇用を開始した場合に限る。)  
(2)上記の雇用期間終了時、その労働者の方を雇用保険被保険者として常用雇用(週30時間以上の勤務)に移行し、移行日から3ヵ月以上継続して雇用したこと。(ただし、常用雇用移行日またはその3ヵ月後の日において、その労働者が京丹後市民であること。)
(3)市税などを滞納していないこと

 奨励金学は労働者1人につき 10万円。


 京丹後市の商工観光部長の名刺にはも「目標 日本一の営業マン」という肩書きがあり、「工業団地・機械金属加工業の州せく技術 世界に誇る観光地・美味しく高品質な農水産物」「頑張って営業しています」と.書かれている。まさに市職員が営業マンという自覚をもちながら取り組んでいるという意気込みを感じる。
 京丹後市では、企業誘致という観念より地元の企業に対して何ができるかを徹底的に耳を傾けている。
 市職員が地道に地元の企業に出向いて、それぞれの企業に対して行政ができる可能性を模索している。
 だから工業団地を造成するにあたってもオーダーメードでの対応も可能にしている。
 企業誘致だけでなく、地元の企業に耳を傾ける姿勢を笠岡市の取り組みでも大いに参考にしなければと感じた。



京都府京丹後市

「議会基本条例について」



京丹後市の議会改革

 京丹後市では「京丹後市議会の活性化と改革のための場階に関する見直し・検討」を調査検討事件として、平成18年9月1日に議会改革特別委員会を設置した。
 平成18年9月には、4回の委員会と2回の作業部会で、「議会改革の検討課題」をまとめた。
 そして平成19年12月の最終報告・条例提案までに計20回の作業部会・37回の委員会他、議員会他を含めると総合計で82回もの協議を行い、平成20年4月1日に21条からなる京丹後市議会基本条例を施行した。
 その議会基本条例を遵守し、平成22年12月定例会において「議会活性化特別委員会」を設置し、議会改革により進めてきた改革の検証を行うとともに、さらなる議会の活性化に向けて様々な検討を行っている。


京丹後市議会・会議室

議会改革の検討課題  平成18年9月28日

1.議員の役割と任務について
   議会基本条例の前文として明文化することを含め検討する。
2.議会基本条例の検討
   議会改革の検討の成果を明文化し、条例化することを検討する。
3.議員定数の検討
   議会・議員の存在意義に係わる重要事項であり、広く意見を求める。類似団体の議員定数、財政状況、人口・面積比などの各種要因調査を行い、また京丹後市の社会経済情勢や厳しい財政状況による行財政改革等の実情を考慮して慎重に検討する。
4.議員報酬の検討
5.政務調査費の検討
6.議会活性化の検討
  ①一般質問について
  ②議員間の自由討議の導入について
  ③議員の質問に対する反問権の付与について
  ④地方自治法109条第5項に基づく参考人制度の活用について
  ⑤代表質問の制度の明確化
7.市民へのわかりやすさと市民参加の検討
  ①定例会における夜間・休日議会の開催について
  ②議会ホームページの充実について (議事録・委員会の活動・議員名簿の顔写真等)
  ③議会資料、議事録のCD・ROM化と市民への貸出について
  ④インターネットによるライブ中継及び録画について
  ⑤傍聴規則の見直しについて (傍聴者への会議閲覧資料の配布、傍聴規則の緩和等)
  ⑥議会主催懇談会・出前懇談会の開催について
  ⑦子ども議会等模擬議会の開催について
  ⑧議案に対する議員の賛否の公表について
  ⑨議会用語の見直しについて
  ⑩議会、委員会の日程広報について
  ⑪市議会モニター制度について
  ⑫その他
8.基本事項について調査・検討
  ①議会費総額の考え方について
  ②議会事務局の体制について
  ③議員研修の充実について
  ④会派制度について
  ⑤委員会体制の在り方について (常任委員会の在り方・所管事項の調整、特別委員会の在り方、委員会調査活動の充実、委員会議事録等)
  ⑥地方自治法96条第2項に基づく議決事項の追加について
  ⑦会議規則、委員会条例の見直しについて
  ⑧議会図書の充実について
  ⑨議場へのパソコン等の持ち込み・使用について
  ⑩議長の委員会所属・会派所属について
  ⑪執行機関の各種審議会。協議会への参画について
  ⑫政策提言・政策条例作成の機能強化について
  ⑬その他

 
 京丹後市議会の議会基本条例制定後の様々な取り組みは、全国でもトップレベルである。
 議会が変われば、執行機関も変わる。
 まさに二元代表制の在り方を実践している。
 議会が活性化し、市民に開かれた議会を実践する事が、市民福祉向上に直結していると感じた。
 笠岡市も議会基本条例制定に向けて取り組み始めたばかりだが、議会基本条例制定後の具体的な取り組みをきっちりと行わなければ絵に描いた餅となる。
 笠岡市の議会基本条例制定までの道のりも大変厳しいが、その後の具体的な取り組みは、もっともっと厳しいと感じ、気持ちを引き締めた視察だあった。


京丹後市議会・本会議場

市役所1階の情報コーナー
 
 京丹後市の情報公開は徹底している。
 庁舎1階には、本会議はもちろんのこと各種の会議議事録を並べており誰でも気軽に閲覧が可能である。
 市民に開かれた議会が執行機関まで意識を変えている姿勢を感じる。
 決算書・予算書には別に説明資料を冊子としてまとめてあり、説明書を見ればほとんどの内容を把握できる。
 笠岡市のように予算書・決算書だけ見ても理解できないという問題は解消できる。
 付属の説明書で理解して、よりレベルアップした質問が可能となる。