議会運営委員会・行政視察

2010.11.09~11




大分県由布市

「議会報告会について」



大分県由布市

 由布市は、大分県のほぼ中央に位置し、北は宇佐市と別府市、南は竹田市、東は大分市、西は玖珠郡玖珠町と九重町に接している。
 農林業は、米を中心に野菜、花き、果実の栽培や畜産が盛んですが、農家数・農家人口とも減少している。
 工業については、企業誘致の効果もあり、製造品出荷額は増加傾向にある。
 商業については、社会環境の変化や大規模店の進出などにより商店数は減少傾向だが、新規店舗の創業や進出はめざましく、新たな商業拠点地域が形成されている。
 観光業については、温泉や豊かな自然などに恵まれており、特に湯布院地域は保養温泉地として多くの観光客が訪れている。
 人口は36,579人(平成21年11月1日)、面積は319.16k㎡。


由布市役所・狭間庁舎

由布市議会・狭間庁舎・全員協議会室

議会報告会

 由布市は、旧挾間町、庄内町、湯布院町が合併してできた人口約36,000人の新しい市であり、それぞれの町が大分市のベッドタウン、農業の町、観光の町と特徴のある町による合併であった。
 それぞれの町に特徴があるために、現在も本庁舎をどこにするか未定という大きな課題が残されている。
 こうした背景から、議会で何をしているのか市民に知って戴くためにも、議会報告会の開催が意義ある形となっている。
 この議会報告会は、栗山町の視察をきっかけに議長選での公約に掲げたことからスタートした。


大分県で初めての議会報告会の開催

 「開かれた由布市議会への改革」の一環として、平成20年2月15に開催された、全員協議会で、議員の総意により「議会報告会」を市内3カ所で開催する事を決定した。
 当時はこうした議会報告会の事例が少なく大分県でも初めての開催となった。
 6月定例会前に開催したいという事で、約3ヶ月という短い準備期間であった。
 各会場の運営は、全議員が3班に分かれて、それぞれの班が責任を持ってその会場の進行を行った。
 資料は議員の手作りで「議会報告会資料」を作成し、市民に配布して説明を行い、3会場で275名が参加した。
 平成21年は2月に3カ所で開催した。


議会報告会・資料

大分県で初めての女性議長

平成22年度の取り組み

平成22年度は、自治会や各種団体・各種グループに対して、10名以上集まれば開催するという形をとっている。
 1回目は女性団体連絡協議会、2回目は観光協会・旅館組合、3回目は狭間地域の北里団地で開催した。
 10人以上いれば、どこでも出かけて議会報告会を開催するというスタンスで、開催が決定すれば議会運営委員会で内容を精査し、全議員の理解を求めるという。

議長立候補制

 合由布市では会派がなく、旧3町の長老議員が議会の人事を調整しているが。合併して2年後の議長選挙において、議長立候補制を行う事を議会運営委員会が決定した。
 現在の議長は大分県で初めての女性議長である。
 今後は、議会基本条例ほ制定するかどうか検討中であるという。

由布市役所・庄内庁舎・・・・市町・総務
由布市役所・狭間庁舎・・・・議会・産業建設
由布市役所・湯布院庁舎・・福祉事務所・環境・観光・教育委員会

所管の委員会は、それぞれの庁舎に移動して行うという。


狭間庁舎の本会議場


大分県大分市

「議会報告会・議員政策研究会について」



大分県大分市

 大分市は、大分県沿海部のほぼ中央に位置する、東九州の中核都市で、大分県内の人口の約40%が集中しており、大分都市圏の中心である。
 高度成長期に鉄鋼業・化学工業などの重化学工業が進出し、近年では電子工業の立地が進んだ工業都市である。
 近年、市域を東西に貫通する形でも大分自動車道・東九州自動車道が開通し、国道10号・国道210号と接続している。
 人口は474,794人(平成22年9月30日)、面積は501.28k㎡。


大分市役所

大分市議会・議会運営委員会室


大分市議会基本条例の制定について

 地方分権の進展に伴い、地方自治体の権限が拡大し、責任も増していることから、市長とともに市民の代表として二元代表制の一翼を担う議会の役割は、ますます重要になつている。。
 大分市議会は、市民に開かれた議会として、議会や議員のあり方、市民や市長との関係などの基本的な事項を定め、将来にわたり市民福祉の向上のために全力をあげて市民の信託にこたえるため、全議員の総意により、この条例を定めた。


議会基本条例制定までの経過について

 平成18年11月24日、議会運営委員会において、議長から議会全体として、会派を超えて政策委研究に取り組み、政策研究に取り組み、政策的条例や政策提言を行うための検討組織を設置することについて提案した。
 平成18年12月13日、全議員による大分市議会議員政策研究会を設置することに決定。
 平成19年10月10日、大分市議会議員政策研究会の第1回全体会議を開催し、議員から政策課題を応募することを決定。
 平成19年12月17日、第2回全体会議を開催し、14件の応募課題の中から議会基本条例を最初の政策課題とすることに決定。 議会基本条例について具体的に研究するため、議員10名で組織する推進チームを設置。
 平成20年12月15日、平成20年第4回定例会の最終日に、全議員の賛成を得て議会基本条例が成
立。



市民意見交換会の様子

大分市議会・本会議場

大分市議会議員政策研究会

 地方分権から地方主権の時代を迎える中、自治体の権限と責任は拡大し、また、住民の代表である議会の果たす役割もますます大きくなっている。
 二元代表制の一翼を担う議会は、自治体の最終意思決定機関であり、監視及び評価機能の一層の充実に加え、政策形成能力も求められている。
 こうしたことから、大分市議会では平成19年10月10日、48人全議員による発会式を開催し、市民本位の立場で会派を超えた政策研究に取り組み、政策的条例案の策定や市長に対する政策提言を行うために、大分市議会議員政策研究会を立ち上げた。
  本研究会の最初の政策課題として、議会運営の最高規範となる「議会基本条例の制定」を選定し、平成20年第4回定例会の最終日(12月15日)に全議員の賛同を得て、中核市として初めて「議会基本条例」を制定した。
  


大分県豊前市

「議会基本条例について」



大分県豊前市

 豊前市は、福岡県の東部、京築地域の南部に位置し、行橋市と中津市のほぼ中間に位置する。
 市域南部には山々が属する筑紫山地が連なる。また、北部は瀬戸内海の周防灘に面しているため、漁業が盛んである。なお、天気の良い日には対岸の山口県が見える。 
 市域南部は求菩提山などの山地が多く自然が豊かで、この周辺では湧き水が湧いている所も多い。特に市域南西部の畑地区にある畑冷泉は、福岡県内でも有名な名水の一つである。
 平成の大合併により、それまで福岡県内で人口最少の山田市が合併して嘉子麻市が発足したため、現在では福岡県内で人口最少の市となっている。
 さらに現在でも人口は減少傾向にあり、将来的には2万人を割り込む可能性もあるため、中心部の空洞化や過疎化が懸念されている。
 人口は27,701人(平成22年9月30日)、面積は111.17k㎡。


豊前市役所

豊前市議会・委員会室

議会基本条例

 平成21年5月29日に「議会制度調査特別委員会」を設置し、議会基本条例の制定をはじめとした様々な議会改革について、調査・研究を重ねてきた。
 合計で13会の協議をおこなす平成22年6月定例会で「豊前市議会基本条例「ほ全会一致で可決した。
 議会基本条例は、議会への市民参加を促進すること及び情報公開を推進することを大きな柱とし、議会の機能強化や活性化を図る事を目的としている。
 前文と全28条の条文で構成されており、前文では地方分権改革の進展に伴い、民意を反映する市民協働型社会の構築をを図る事、さらな二元代表制の一翼を担う議会として市民の付託に応え、市民にとって身近な開かれた議会の実現を図る事を定めている。
 また議会は市政における最高の意思決定機関として、市民の意思を的確に市政に反映させるため、公平・公正な議論を尽くし、市民からの信頼の確保に努める。


議会基本条例の三種の神器
(評価基準)

 当初は、一問一答・反問権・最高規範性と言われていたが、現在は、議会報告会・請願者、陳常者の意見を聞く・自由討議という形になっている。

今後の課題

1.市民にとって身近な議会とすること。
2.市民に分かりやすい議会運営に努めること。
3.基本条例と現行の条例や規則等、議運の取決め事項との整合性。
4.各種懸案事項の整理。

 豊前市議会では、議会基本条例制定後も議会制度調査特別委員会を解散することなく、レベルアップするための協議を続けている。


豊前市議会・本会議場