井原・笠岡・議員有志

直島・文化視察

2002.09.11

香川県香川郡直島町 


「直島の文化」





ベネッセ・直島文化村


ベネッセ・ハウスのプライベートビーチ

香川県香川郡直島町


 笠岡ICから山陽自動車道・瀬戸中央道の水島ICをおりて、玉野市の宇野港まで約1時間。宇野港からフェリーで約20分。
 三菱の企業城下町と直島独自の文化という2面をもった島へ笠岡市議会の5名と井原市議会の3名の議員が初めて上陸した。
 美しい瀬戸内海とベネッセ・コーポーレーションの文化村、町独自の斬新な公共施設、また豊島の産業廃棄物の処理の島としても有名になった。
 人口約3600人。就業者の8割が三菱に関係している。財政的にも余裕を感じさせる島であった。
 

ベネッセ・ハウス


 直島といえばベネッセの直島文化村。
 直島の南部に165haの広大な土地を所有し、一大文化ゾーンを形成している。
 自然と現代アートを融合した、美術館と宿泊施設を併設している。
 当日は平日にもかかわらず、若い人たちが大勢滞在していた。
 ベネッセのメセナ活動として、直島文化村は確実に直島文化を創造している。

 上写真の岬の上部に土の色が見える。
 次の美術館を建築中である。それも地下に創るという。(2004.7完成予定・直島福武美術館)

 

直島文化村の笠原総支配人からのオリエンテーション

安藤忠雄の空間に現代アートが息吹を放つ

安藤忠雄の空間


 建物は一貫して日本を代表する建築家・安藤忠雄の設計である。
 打ちっぱなしのコンクリートに囲まれたベネッセ・ハウス。
 現代アートの美術館として、自然とアートと人が交差する。
 無駄とも思える数々の空間。
 昇り詰めると突き当たりの階段。
 階段は昇ればまた降りれば良い。

 宿泊施設にもこだわりをもった部屋が本館・別館にあるという。
 

直島プロジェクト


 ベネッセの直島プロェクトは、直島町の前々町長・三宅親連の熱い思いからスタートした。
 前々町長は50歳で町長就任後、9期36年間の長きに渡って町政の舵取りを行った。
 直島の北部には三菱を中心としたと産業エリアがある。中央部に行政・文教エリア、南部に文化エリアを創ろうという壮大な信念があった。
 南部の民有地を買い求め、一括して企業に売却して観光開発をという構想であった。
 当初、藤田観光と折衝を進めたが途中で話が途絶え、ベネッセと話し合いを進めた。
 ベネッセの調整が成立し、平成元年に直島国際キャンプ場を誘致した。
 ベネッセはその後、常に前を向き新しい企画を進めている。

ベネッセハウスの屋上は、芝生広場




直島・家プロジェクト

直島・家プロジェクト

 直島・家プロジェクトは。直島の本村地区に残る家屋を改修・保存し、1軒につき1人の現代美術のアーチストが作品を制作し、永久保存しているプロジェクトてある。


 本村地区の民家の入口には、屋号をステンレスにレーザーカットしRに曲げて設置している。
 これも光と影のアートである。

直島・家プロジェクト・1  角屋 建物の内部は、暗闇に浅めの水槽から放つ数字のネオンがアートとなっている。

直島・家プロジェクト・2  南寺 中は、真っ暗闇、10分もすれば目が慣れて、前面にスクリーンが現われる。不思議な体験である。
直島・家プロジェクト・3  きんざ 完全予約制で、1人しか入場できない1人が15分間、鑑賞する。光と空間の異次元を感じさせる。
直島・家プロジェクト・4  神社 改修中を特別に見させて戴いた。神社の本殿に昇る階段は1枚の石を削りだしている。その上にクリスタルを置くという。それを地下から見ると光の階段になるという。
ピンポン・ギャラリー 昭和10年に精錬所の所員に牛乳を供給するための乳牛を飼う施設として建てられた。その後、幼稚園や音楽教室、卓球場などに転用された。2001年9月・直島コンテンポリーアートミュージアムによってギャラリーとして改装され、現在は企画展スペースとして利用している。



直島建築

直島町役場  9期36年間の前々町長・三宅親連は、「自立する町づくり」として、「文教地区計画」の一環として、直島小学校・「幼保一元化」「幼小中一貫教育」を教育姿勢として学校施設・社会教育施設を次々に整備した。
 子供たちの創造力や豊かな人間性の育成をはかるためにされらの設計にはのびのびさや明るさをプラスした斬新なものであった。
 これらは建築家・石井和紘の設計であり、ベネッセの安藤忠雄と比較してモダンというか見て驚きを感じた。
 左の写真は、昭和58年12月に完成した町役場である。別名、「直島飛雲閣」と呼ばれ概観は桃山時代の建築意匠を漂わせている。中に入ると実に広々とした空間が確保されている。
 
直島町役場・1階内部
直島町議会・委員会室 (町役場の3階)
直島小学校 
昭和45年10月完成
直島町民体育館・直島町民武道館 
昭和51年10月完成
直島町総合福祉センター
平成7年1月完成
 
 今回の直島の視察において、数々の「感動」を覚えた。
 ベネッセの文化・安藤忠雄の世界・現代美術のアーチストの作品・家プロジェクト・建築家・石井和紘の直島建築、そうした数々の芸術が融合した文化の島「直島」。
 笠岡も笠岡諸島を抱えて、「島おこし」に懸命である。「直島の文化」はとても真似ができそうにない。
 しかしあきらめてはならない。前々町長の熱い想いがあったからこそ今日の直島文化か存在する。
  文化は「人」が創造するものである。
 笠岡の文化も創造する「人」が動かなければならない。


最後に・・・

大変お忙しい中、一日ご案内を戴いたベネッセ直島文化村の総支配人・笠原さまに心より御礼申し上げます。
 またアポイントもとらず急におじゃました直島町議会の中林議長さま、温かいおもてなしに感謝申し上げます。
そして、私の不注意で紛失した名刺入れを中林議長さまにお届け戴きました子供さんに心から御礼申し上げます。
また、その名刺入れを郵送戴きました中林議長様には、重ね重ねのご親切に恐縮致しております。
直島の皆様の様々な親切に心より御礼申し上げます。

直島の文化と出会いを大切にしたいと思います。