誠信クラブ

行政視察

2002.08.27〜29

長野県諏訪市 

「公共施設の予約システムについて」
「図書館の情報ネットワークシステムについて」



長野県岡谷市

 「福祉タクシーについて」
「シルキーバス運行事について」
「福祉ガイドブックについて」
 





長野県・諏訪市


諏訪湖
長野県諏訪市
 

 諏訪市は、長野県のほぼ中央に位置する。諏訪湖をひかえ南北に細長い。清澄な空気と水は精密工業と結びつき、近年は情報機器などの先端技術産業の工業集積が進んでいる。
 諏訪湖、霧ケ峰高原、それに天与の温泉に恵まれた、ゆたかな自然環境のもとで、「東洋のスイス」と呼ばれ発展してきた。
 そして、いまでは、精密工業都市からハイテク産業都市へと移行し、水と緑にかこまれた国際観光都市、伝統に育まれた文化都市として着実な歩みをきざんでいる。 人口・約52,000人

公共施設の予約システム


 とにかく諏訪市のホームページは、キーワード検索を含めて驚くような充実ぶりである。
 そのトップページの一番下から公共施設の予約ができる。
 体育館・武道場・弓道場・テニスコート・公民館・文化センター・小中学校まで予約したい日のカレンダーをクリックすると空情報が時間別に把握できる。
 特に驚くのが小中学校の体育館・グランドまで予約が可能なのである。
 「空きあり」をクリックすれば「選択中」となり。利用者名とパスワードを入力すれば予約済みとなる。

 指定した施設の予約だけでなく、カテゴリー別の検索も可能である。例えば「テニス」と入力すれば37施設もでてきた。
 一度予約した施設についての確認と取り消しも利用者名とパスワードで可能である。

 平成13年度の実績として、2月22日に竣工してからの約1カ月でのインターネット予約登録は326団体。インターネット予約件数28件。インターネット予約による利用者は934人である。
 平成14年度7月末現在で、利用者(団体)登録者数452団体で、予約件数は774件であった。
 これらは平成12年度、地域イントラネット基盤整備事業で行った。

 諏訪市では、インターネットの接続環境が整っていない家庭に対しては、テレホンガイドでのサービスを提供している。(諏訪市のホームページの情報を電話やFAXでも提供。)
 このテレホンサービスにより、高齢者や目の不自由な方も、ホームページの情報を得ることが可能なのである。

 今まで情報化の進んだ事例を数多く学んだつもりであったが、こんな取り組みは始めて知った。
 インターネットとは無縁の市民に対しての優しい配慮だと思う。今後の取り組みの中で忘れてはならない原点だと感じた。

 諏訪市のホームページは、各課で更新を行っている。各課にリーダーを育成して指導しているとの事である。笠岡市の現状を比較すれば、雲泥の差である。職員の手作りのホームページだと、リアルタイムの更新が可能である。情報は常に新鮮でなければならないという基本を忘れてはならない。

 今後の課題として、住基ネット番号をパスワードとして考えるとか、予約した施設の料金の引き落とし等を考えていく必要があるという事である。
 

諏訪市役所


諏訪市議会


諏訪市議会・事務局にて説明を受ける


諏訪市図書館

図書館の情報ネットワークシステムについて

 
 諏訪市近隣の7つの図書館が「諏訪広域図書館情報ネットワーク」を構築している。
 インターネット上で、「条件入力」「キーワード検索」「定期購入雑誌一覧表示」「定期購入新聞一覧表示」ができるようになっている。
 「条件入力」で著者とタイトルを入力すると、7つの図書館の収蔵図書を瞬時に検索する。お目当ての本が見つかれば、予約となる。。そして受け取る図書館を指定し、ユーザーIDとパスワードを入力するば予約完了となる。そして本が受け取る図書館に到着したらメールで予約者に連絡が入る。
 1つだけの図書館の検索てはなく、こうした複数(7つの図書館)の検索ができるというのは心強い。
 読みたい本の検索により、図書館の利用が大幅に伸びると予想される。


 諏訪市図書館は、平成元年の完成。平成7年4月から、諏訪市広域図書館情報ネットワークを構築した。諏訪地域6市町村の公共図書館資料を1枚の統一利用カードで広域的に「いつでも、どこでも、だれにでも」利用できるようになり、希望の資料が最寄の図書館に1〜2日後には届けられる。(独自の物流ルートを構築している。この物流システムができることで、7つの図書館の相互利用が可能となっている。)
 
 これとともに、パソコンを使用した貸し出し、返却処理としたことで、カウンター業務もより一層迅速に処理できるようになった。
 
 平成12年4月にはシステムのバージョンアップが完了し、カード登録・図書発注の簡便化、資料検索の高度化、インターネット接続による県内外の図書館の所蔵照会の迅速化、及びその結果としてのリクエスト図書に対する迅速な対応等、利用者サービスの向上を図ることができた。
 
 そして平成12年6月からインターネット上にホームページを開設して、ネットでの予約受付を開始した。
 平成13年度のインターネット予約受付は、1,062件であった。(諏訪市図書館のみ、7つのネットワーク全体では、5,161件)

 笠岡市も本年度、図書館の検索システムを構築中であるが、将来は近隣の図書館とのネットワークが不可欠だと感じた。


諏訪市図書館
 諏訪市図書館には、館内においてビデオを見ることができる。
 テレビデオが並んでいるので、館内で借りたビデオテープをヘッドフォーンで聞きながら見ることができるのだ。主に映画が多いようである。

 静かな環境で、同じ敷地に文化センター・保健センター・勤労青少年ホームがある。
 1階部分はノークーラーで、2階部分の視聴覚室・会議室はエアコンを完備している。
 




長野県岡谷市


長野県岡谷市

 海抜759mの諏訪湖の北・西岸に位置する岡谷市は、天竜川の源で富士山や八ヶ岳を望み、四季を彩る美しい自然に包まれたまちである。
 シルク岡谷、東洋のスイスといわれる工業都市として発展し、現在は超精密加工技術の集積地として「スーパーデバイス産地」の形成に向け歩んでいる。
 人口・約56,000人。
 約10前に、新庁舎が完成。新庁舎と文化センター・保健センターが隣接している。
 庁舎は9階建てで、議会の応接室から諏訪湖が一望できる素晴らしい眺望に驚いた。


岡谷市役所から市街地と諏訪湖を望む

岡谷市役所
左側の建物が保健センター


岡谷市役所・1階・エントランス


岡谷市議会・会議室
 

「福祉タクシーについて」


 高齢者・障害者の方々が、地域とつながりを持ちながら、生き生きと生活するためには、移動手段が必要という事で、交通手段確保を目的として平成9年度から導入した。
 平成10年10月より、不正乗車防止策として身分証明書を兼ねた利用券に改善した。
 
 現在、民間のタクシー会社3社に委託しているが、通院に使われるケースが多く、午前10時前後に集中するという。車椅子用のタクシーではなく普通のタクシーが合計最大12台福祉タクシーとして、午前7:30から午後7:30まで委託されて運行している。
 
 利用可能な方は岡谷市に住所がある75歳以上の方、要介護状態3・4・5に該当する方、身体障害者1・2級、療育手帳A1・A2・B1の方、精神障害者1・2級の方で、対象市民は6000人程度という事である。
 
 対象者は、事前に社会福祉課窓口で、1回利用300円の利用マスが10回分印刷された身分証明書を兼ねた券を1枚3000円で購入する。
 福祉タクシーの利用できる運行範囲は、岡谷市内だけという事で、他市町村地域への移動はできない。利用はすべて予約のみである。
 
 1回、300円の負担で岡谷市内の移動ができるわけたが、年間での回数制限はなく対象者は何度でも利用ができるという。
 
 平成13年度の利用実績は、1日平均84回で年間30,492回の運行となっている。
 歳入が3,000円×3,475.4人=10,426,200円
 歳出は、車両借り上げ1社当たり、23,500円×(平日2台×295日+休日1台×70台)=15,510,000円
3社合計 15,510,000円×3社=46,530,000
配車管理料 2,067,000
合計 48,597,000円


「シルキーバス運行事業について」

 公共交通機関に恵まれない地域に市民バスを運行し、市民の買い物、通院等の足の確保、公共施設の利用増進を図るとともに、市街地の活性化を促す目的で、平成12年7月から実施している。
 運行路線は2ルートで16便で、既存路線バスの初乗り料金と同額に設定し、大人150円・子供80円・就学未満児は無料である。
 29人乗りの小型バス5台を民間のバス会社に委託している。
 平成13,年度の実績で、市の持ち出しが約4500万円となっている。利用者は約17万4000人である。


 「福祉ガイドブックについて」


 福祉に対しての市民の関心の高さから、平成10年度に「福祉ガイドおかや」が、平成12年度からの介護保険制度導入により「福祉ガイドブック」となり、福祉制度の紹介とサービス情報の提供を図り、本年度新たに発行予定である。
 市内全戸配布されており、十分に活用されているようである。また岡谷市のホームページにも抜粋されたものが掲載されている。
 A6版で114ページで、介護保険・高齢者福祉・障害者福祉・子供と母子家庭の福祉・保健、福祉、医療サービス・その他の福祉サービスと詳細でわかりやすい内容になっているし、問い合わせ先の電話番号も記載されているため、ガイドブックだけではわかりにくい部分は直接問い合わせできるようになっている。