環境福祉常任委員会
行政視察

2008.11.12




鹿児島県奄美市

「悠遊長生き・健康づくり事業について」
「ひとり暮し高齢者見守りネットワーク事業について」
「ウミガメの保護対策事業について」



鹿児島県奄美市

 奄美市は、鹿児島県本土から南西に約380Kmに位置し、全国の離島の中では、沖縄本島・佐渡島に次いで3番目に大きな島である奄美大島本島の北部に位置し、南は太平洋に、北は東支那海に面している。
 平成18年3月20日に、名瀬市・住用村・笠利町が合併して誕生した。
 飛び地合併により、市の北部約5分の1が切り離されて存在する形態となっている。
 人口は48,315人、面積は約305.92k㎡。


奄美市役所

奄美市議会・副議長から歓迎挨拶

奄美市議会・委員会室

悠遊長生き・健康づくり推進事業

 奄美市においては、奄美市に住所を有する概ね65歳以上の高齢者で、介護保険の認定の結果、自立と認定された高齢者・加齢により今後、要介護状態に陥る恐れがあると判断された高齢者に対して、悠遊長生き・健康づくり事業を行っている。(基本的には介護サービスを受けていない方が対象)
 利用料は無料だが、老人福祉会館使用料200円の負担が必要である。(巡回バスで無料送迎)
 高齢者が要支援・要介護状態になる前から介護予防を推進し、交流を通して生きがいと健康づくり、運動機能の向上及び日常生活動作の拡大を図っている。

内容
・血圧測定・健康相談
・ストレッチ・筋力アップ体操・転倒予防のためのバランス訓練
・脳刺激訓練(指体操)
・レクレーション・軽スポーツ・ゲーム

従事者
・保健師・看護士の2人体制

平成19年度の登録者数・・・176人
平成19年度の参加人数・・・157人
平成19年度参加延べ・・・・・回数・ 365回
                  人員・3,958人

参加者の年齢構成
  60歳代・・・ 3.2%
  70歳代・・・47.6%
  80歳代・・・42.9%
  90歳代・・・ 6.3%

 奄美市は日本でも有数の長寿地域である。そうした長寿の高齢者に対して生きがいと健康づくり推進、元気に長生きを謳歌することができる高齢者の育成として、こうした事業を展開している。


ひとり暮らし高齢者見守りネットワーク事業
 
 奄美市においては、概ね65歳以上の寝たきりひとり暮らしの高齢者等がいる世帯に対して、ひとり暮らし高齢者見守りネットワーク事業を行っている。
 この事業は、高齢者や障害者など援助を必要とする人々が、できる限り住み慣れた家庭や地域の中で安心して暮らしていけるように、地域ぐるみで安否確認や声かけなどの見守り活動を行ない、保健福祉ニーズの的確な把握、災害時の非難支援対策、消費者トラブル防止対策等に資することを目的としている。

・集落単位で、見守り活動の核となる在宅アドバイザーを決める。
・在宅アドバイザーは、奄美市包括支援センター、奄美市社協等と連携をとり安否確認の必要な要援護者を選出、要援護者の同意を得た上で訪問活動計画を決める。
・在宅アドバイザーを中心としたネットワーク構成員が見守り活動を行う。
・奄美市、社協、民生委員、婦人会とネットワークの推進について協議を行う。
・保健福祉制度の説明、アドバイザーと介護者の交流会を行う。


鹿児島県・大島支庁
奄美市役所の近く

奄美市議会では、12月定例会最終日
大島紬を着用するのが恒例だという

ウミガメ保護対策事業

 鹿児島県では、学術的、文化的価値を有する貴重なウミガメの保護事業を推進している。
 
 鹿児島県ウミガメ保護条例(昭和63年)
☆ウミガメの捕獲及び採取の禁止
・捕獲に際しては許可及び協議が必要 (捕獲許可及び協議については権限委譲により市町村事務)
・違反者に対しては、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金

☆ウミガメ保護施策の実施
・教育活動・広報活動等の実施
・年1回ウミガメ保護対策連絡協議会を開催


ウミガメ保護の奄美市の取り組み

1.ウミガメ保護監視員の設置
・市内の4団体を、ウミガメ保護監視員として委嘱
 (県補助事業・事業費73.2万円・補助率1/2)
・5月~8月の上陸・産卵時期において、上陸海岸のパトロール、上陸・産卵頭数の調査
・浸食のおそれがある卵の移設

2.ウミガメ保護思想の啓蒙
・広報誌による呼びかけ
・ウミガメ上陸海岸への啓発看板の設置
・小学校と連携した環境教育の推進
・上陸海岸の清掃活動
・奄美海洋展示館での飼育展示及び生体の研究

 笠岡市のカブトガニ保護条例には罰則規定がないが、ウミガメ保護条例には罰則があるという事で、監視員も監視しやすく警察と連携をとっているという。
 カブトガニ保護に対しての罰則規定を何らか知恵を絞って考えなければならない。
 

 奄美市では、サンゴ礁の保全活動も推進しており、国際サンゴ礁年2008という事で、11月9日(日)には、奄美群島サンゴ礁保全対策協議会が主催して、奄美群島におけるサンゴ礁の現状や保全に向けた取り組み等をアピールするために、奄美市立博物館3階企画展示室において奄美群島サンゴ礁シンポジウム「知ろう 守ろう 奄美のサンゴ」を開催した。
 基調講演「奄美群島におけるサンゴ礁再生の取り組み」についての基調講演に続き、奄美群島各島における取り組み報告の後にパネルディスカッションを行ったという。


奄美市名瀬の市街地の港
2008.5.27に、ウミガメの産卵が確認された


奄美市の海岸